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2014年4月30日 (水)

「老年症候群の診察室」から―④―虚弱化の仕組みとプロセス

 いつの間にか若いときには想像もできなかった年齢まで生きてきた。大学生の頃は人生50年と言われていた。でも、50歳になってみるとまだバリバリの働き盛りであった。

 60歳で定年を迎えたが、まだまだ働きたい気持ちが十分あった。ただ働き口がなかっただけである。

 定年後は人間ドックに行くのもやめて、身体のどこかが不調になったときだけ医者にかかり、70歳をすぎてからは、成人病検査(現在は成人健康診査)を受けるだけである。

 鼠径ヘルニアとか腰痛とか白内障とかの個々の病気では医者にかかるが、これまでのところは長い入院はないので助かっている。

 65歳からが高齢者と言われるようだが、それ以後は毎年体力が落ちていくことを感じ、後期高齢者になったら、一層自覚するようになった。

 健康に関する書物をいろいろと読んで参考にしてきたが、最近読んだのは「老年症候群の診察室」(大蔵暢著、朝日選書)である。この本によって「老年症候群」という言葉があることを初めて知った。

 この本によると、高齢者特有の健康問題を老年症候群と呼び、認知症、老年期うつ、転倒、慢性めまい症などの例を挙げている。

 老年症候群に至る前は、「老い」(しわ、肺活量低下など)と「疾病」(脳梗塞、糖尿病など)、「心理的社会的ストレス」(孤独、経済困難など)があり、それらが作用して「老年症候群」になる。

 それが進むと、老年医学でいうところの「虚弱化」が起きるという。虚弱化した高齢者を「虚弱高齢者」というそうだ。

 高齢者の虚弱化は、日々見えないところで進んでいる。通常の病気でない老いに加えて、複数の病気や多くの薬の服用、心理的・社会的なストレスが加わることによって、物忘れやうつ症状がひどくなったり、転倒したりする高齢者特有の健康問題が出てくる。それらが高齢者の心身全体の虚弱化の大きな要因になると述べている。(P.20)

 虚弱化によって、「悪い健康イベント(急病、事故、要介護、死亡)が起きてくるというのだ。

 虚弱化のプロセスと次のように示している。

①健康期  安定した歩行、栄養状態良好、認知症なし、抑うつ症なし、日常生活

        自立

②虚弱期  不安定な歩行(補助具使用)、早期認知症、抑うつ症状あり、軽度要介

        護

③高度虚弱期  車椅子使用、ベッド生活、体重減少、進行期認知症、重度要介護

④終末期  意識混濁、嚥下障害、脱水・栄養失調、肺炎・尿路感染症

 著明に進行した虚弱をもとに回復させることは極めて困難であり、その意味において高齢者の虚弱化は、ゆっくりと進行する死へのプロセスだと言えると言っている。海外でも85歳以上の高齢者では一度失った日常生活機能を元に戻すことはほぼ不可能だという報告があるそうだ。(P.20~21)

 認知症や老衰の人が死に至るには、3つのパターンがあるという。

●突然死、   ●急病    ●老衰自然死

 高齢になるといつ何が起きてもおかしくない。だからこのような尺度を頭に置いて時々自分がどの位置にあるのかを確かめることが大事だと思った。もっともそれができるのは虚弱期までであろう。

  ※ネットの参考資料  老年期症候群について

 http://www.igaku.co.jp/pdf/1205_resident-01.pdf

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コメント

 先行きのことは誰にも分かりません。ただ気持ちとして夫婦が健康を維持して行くことを願うのみです。

NHKで昨年大変話題となった「老人漂流社会」の特番では高齢者が3000万人を超え、とりわけ深刻なのは「一人暮らし」で「認知症」を患う高齢者の急増だそうである。さらに貧困が事態の悪化に拍車をかけている。健康診断はおろか、体が不調でも病院に行くことすらしない、できない。症状が悪化してもSOSも発することができない。まさにないないずくしである。まさか自分がこのような事態にはならないと思っていた人が、歯車が狂いだすと誰にでも起こり得るとの結びであった。高齢になっても周囲に自分を見守ってくれる人が必ずいることが一番大切なことのように思える。

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