「老年症候群の診察室」から―③―診察と薬の問題点
高齢者は高血圧とか糖尿病とか眩暈とかいろいろな身体の不調や病気によって医者にかかることが多くなるが、症状によって別々の医者にかかり、それぞれの医者から処方された薬をもらうことになる。
「老年症候群の診察室」によると、ある人は5つの医療機関にかかって、17種類もの薬を貰っているという。そういうことが医療費を無駄に使うことにもなるが、一方では医療機関が採算上の問題で薬をどんどん出すということも起きている。
薬には糖尿病や高血圧などの原因になっている臓器や器官へのサポート作用(効果)と他の臓器への負荷作用(副作用)が混在しているので、ある病気を治そうとする試みが、時には裏目に出て、副作用の方が強くでることがある。(P.17)
病気が1つか2つしかなく、薬も少なければ、シンプルに作用し、医師の側も何が起こっているか理解できるが、病気も薬も増えてくると、病気自体が悪くなったのか、薬同士が干渉し合って相互作用が出ているのか、副作用なのかが、高齢者専門医でも分からなくなることがあるという。(P.18)
こうした問題を減らすには、患者を全体的の診ることが大事だが、残念ながらそうなっていないそうだ。受診している医療機関が多すぎて、どの医者からも全体を見た適切な治療を受けていない可能性があるというのだ。
病気をもった高齢者がどうしたら安全に、快適に生活を続けられるかを考えた全人的な見方が必要だと述べている。(P.14)
そうした考え方に私も賛成である。個々の病気を対象療法的に診るのではなく、高齢者の場合は、総合的な診療が望まれるのである。
日本では65歳以上が25%になり、すぐに30%、40%になると言われている。団塊の世代が後期高齢者になるのももうすぐである。高齢者医療をどうするかは、経費の面以外にも喫緊の課題である。安倍政権にはすぐにでも取り組んでほしいと思う。
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健康年齢は過ぎてかなりになりますが、平均年齢にはまだ間があります。老いは仕方がありませんが、できるだけ病気にならずに生きたいと願っています。
投稿: らら | 2014年4月29日 (火) 20時21分
今朝のNHKの早朝番組で、男性の健康寿命は厚労省の調査によると70.4歳という話しをしてました。ご承知のように健康寿命とは健康で自立して生活できる期間のことをいいます。生存寿命より9歳も下回っていることに改めて驚きました。個人的には後1年で健康寿命は終わりで、一般的に最晩年は非健康な状態で人生を終えることになります。なかなかピンピンころりとはいかないものです。番組で健康寿命を高める方法としてメディカルワオーキングという歩き方を提唱していました。
投稿: Toshi | 2014年4月29日 (火) 08時22分