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2014年4月 9日 (水)

やっと借りられた阿川佐和子著「聞く力」を読んで

 2012年1月に刊行された阿川佐和子さんの「聞く力」が大ベストセラーとなり、私も是非読みたいと思って図書館に予約をしたが、何と手元に来るまでに8か月もかかった。名古屋市の図書館には77冊もの「聞く力」が購入されているのに読みたい人が何百人もいるのだ。

 私の番が回ってきたとき、まだ250人も待っていると言っていた。それほどの大人気の本のどこが読む人を引き付けるのかを知りたいと思いながら読んだ。

 読み終わって分かったことは、週刊文春で掲載している「阿川佐和子のこの人に会いたい」の対談やテレビ番組「タケシのTVタックル」などでのエピソードを取り上げて、それを35項目にわたって他の人にインタビューするときのヒントをまとめていることであった。

 エピソードは、会話をふんだんに入れて具体的場面を描いている。そして最後にまとめのようにコツや注意点が書いてあるのだ。

 「聞く力」という題名から、何か日常生活の中で人と会話をする時の聞く技術のようなものを想像したのだが、読んでみるとそうではなかった。インタビューをする人のためのヒントが書いてある。

 では、なぜ多くの一般人に読まれるのかと考えるに、私のような一般人は書かれている「裏話」に興味をもって読むのだと思う。

 阿川さんは15ページに次のように書いている。

「同じ話も新しい話も、可笑しい話も感動的な話も、人に話を聞くことで、自分の心をときめかせたいのです。素直な気もちで好奇心の赴くまま人の話を聞いたとき、聞き手は自分の記憶や気持ちをそこに重ね合わせ、必ず何かを感じ取るはずです」

 「聞く」を「読む」に置き換えると、この本に語られるエピソードや阿川さんの苦心話などが読み手の心を響かせるものがあるということだ。そして読み進めるうちに、35のヒントの中から自分が感じ取ったものを頂くということだと思う。

 阿川さんの書きぶり(文体)は具体的で分かりやすく、且つ親しみやすいので誰にでも楽に読めるのだと思う。

 ちなみに、この本は30代~50代の女性によく読まれているそうだ。(下図)

 一般人に役立ちそうなことは、

◎面白そうに聞く

◎「あれ?」と思ったことを聞く

◎相手の気持ちを推し測る

◎自分ならどう思うかを考える

◎上っ面な受け答えをしない

◎相槌の仕方

◎「おうむ返し」質問法の活用

◎相手の目を見る

◎慰めの言葉は2秒後に

◎安易に「分かった」と言わない

◎しゃべりすぎない

などであろうか。 

 思いがけず聞けた北野武の胸中、「トークは生もの」と心得た笑福亭鶴瓶とのやりとり――。インタビューの具体的な相手や状況を示しながら、学び、感じたことを、「質問の柱は三本」「観察を生かす」などといった35項目でつづる。(文春新書/840円)。
※ グラフは、購読者の男女比(全国696店舗のTSUTAYA BOOKS、蔦屋書店での購入データに基づく)を示している。最も読まれているのは40代女性。10代を除く男女に広く支持されていることが分かる。

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コメント

歳とともに人の話しを根気よく聞く態度が薄れてきたように思います。人は自分の話しを興味を持って聞いてくれ、できれば共感してくれた人に大変好感を持つものです。夫婦の間でも最近は適当に相槌をうっているだけで、時々ほんとに聞いてるの、といわれて、ばれたかと思ったりしています。人の話しを聞くのが面倒になったら老化が進んでいる証拠だと思います。私も図書館にこの本をオーダーしました。

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