老年症候群の診察室から―①―
図書館で「老年症候群の診察室」(大蔵暢著、朝日選書)を借りて読んでいるが、日常生活動作を3つに分類していることが分かった。
人が社会で自立して生きていくために必要な活動を日常活動動作(Activity of daily livinng=ADL)という。
それには3つあり、一つは高度日常生活動作(Advanced ADL)で「その人らしさ」を定義する活動や動作である。趣味や専門や職業に関係したものである。
この「その人らしさ」を定義する高度日常生活動作は、1人ひとり違うので、その人固有の変化が非常に大事だという。他の人と比較してもあまり意味がない。
二つ目は、手段的日常生活動作(Instrumental ADL)である。買い物や食事の準備、電話の使用、自動車の運転、交通機関の利用、洗濯、食事、薬の服用、金銭管理など独立した生活に不可欠な動作のことである。
三つめは、単にADLという場合で、基本的日常生活動作(Basic ADL)のことで、食事、着替え、移動、排せつ、入浴など身の回りの動作を指す。いわば動物的な生きていくためにどうしても必要な動作ということであろうか。
高齢者が最も早く、ひとりで行うことができなくなる基本的日常動作は入浴で、最後まで残るのが食事だそうだ。
高齢になって身体が思うように動かなくなったり、認知症になったりすると、それまでできていた動作や役割ができなくなる。日常生活のおけるそのような社会、家庭、個人での動作や役割のうち、何ができて何ができないのかを調べることがきわめて重要である。それを「日常生活の機能評価」というそうだ。
高齢になると心身のさまざまな変化(老い、疾病、心理的・社会的ストレス)が複雑の相互作用して、日常生活動作の変化となって現れるのだという。
何ができて何ができないのか、何ができなくなったのか、何ができるようになったのか、などを常に観察して評価しておくことで、身体や脳、感情や気分の変化といった内部変化を早期に発見できる。そして適切な対応が可能となる。
高齢になると日々変化が進むから、自分も家族も周りも観察・評価を怠らないようにすることが大事であろう。
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NHKの番組では、歩行とか階段上りのような運動を週に数回続けることがいいと言ってました。
投稿: らら | 2014年4月21日 (月) 08時52分
先週、NHKの朝のニュースで3日間にわたり、認知症で行方不明になる高齢者のケースが取り上げられました。それによると徘徊などで行方不明になる高齢者が年間1万人近くにのぼり、一昨年は351人の死亡が確認されたそうです。全国で認知症患者は462万人、予備軍を入れると800万人超、4人に1人は認知症になるという数字は誰もが知るところとなりました。最早認知症は国民病になったという識者もいます。自分はまさかそうならない、なりたくないと誰もが思いますが、予防策があるならばしっかり実践したいと思います。
投稿: Toshi | 2014年4月21日 (月) 08時15分