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2014年3月30日 (日)

袴田さん、釈放されてよかった!

 1966年に静岡県で起きた、いわゆる「袴田事件」で、再審開始を決定し、死刑が確定していた袴田巌さんが、即日釈放された。本当に良かったと思う。

 袴田さんは48年にわたる拘留生活で、精神に異常をきたしているといわれるが、犯していない罪で、しかも死刑囚として刑務所にいたのだから、正常な神経でいられる方が不思議である。

 今回の再審決定の決め手となったのは、着衣の血痕のDNA鑑定結果だという。科学の進歩でDNA鑑定技術が進んだので、以前にははっきりしなかった鑑定が今回はきちっとできたのだ。

 それにしても、着衣が1年2か月間後、現場近くの工場タンク内から、味噌漬け状態で発見されたという。これはどう見てもウソっぽい。警察の初期捜査が如何にずさんであったかを証明するものだ思う。

 弁護団は、血をつけた衣類を味噌漬けにする実験から、色がおかしいと指摘し、裁判官も「事件から相当期間経過してから、味噌漬けにされたと考えるのが最も合意理的」と判断した。この衣服が1年間余り味噌桶に入っていたにしては、汚れが少なく、不自然だとしている。また、証拠の一つとされたズボンも、袴田さんの物ではないと判断した。

 裁判官が証拠を捏造した疑いがあるとしたのもうなずける。とにかく犯人にしようと自白を強制し、あまつさえ物的証拠を捏造したとすれば、警察や検察の罪は重い。一人の罪なき市民を恐怖の陥れ、その人生を奪ってしまったのだ。

 袴田さんを支えた81歳のお姉さんの話も感動的であった。兄弟姉妹みなで袴田さんの無実を信じ、48年間支えてきたのだ。また袴田さん事件を担当した弁護団にも頭が下がる。

 戦後数々の冤罪事件があった。その人たちは人生を台無しにされた。こういうことが今でも続いていることに恐怖すら感じる。警察や検察は真実を究明するために真剣に努めてもらいたいと思う。

 なお、袴田さんの記事の扱いでは、朝日新聞より中日新聞の方がはるかによかった。特に中日の社説はこの事件について大事なことを要領よく伝えていた。朝日よ、たるむなと言いたい。

 

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コメント

 アメリカでは詳しい数字は忘れましたが毎年何千件もの冤罪が起きていると聞きました。日本でも村木事件など耳新しいところです。冤罪がおきないようにしてほしいものです。

事件で殺害された被害者の遺族にとっては、それでは真犯人は誰だったのだと、やりきれない思いだと思う。これまで冤罪事件はあったが、真犯人が特定できたというケースはひとつもない。勿論、だから冤罪ではないというつもりは全くないが。初動捜査を間違うと大変なことになるのである。名張の毒ぶどう酒事件も現地の人達は奥西以外、犯人はあり得ないという声が多いが、これとて犯人特定は本人の自白が最大の決め手になっている。余程、客観的証拠を固めないと今回の冤罪事件は今後も起こりうると思う。

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