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2014年3月27日 (木)

映画「それでも夜は明ける」を見た

 先だって映画「大統領の執事の涙」を観たことを書いたが、同じ時期にやはり黒人への人種差別問題を扱った「それでも夜は開ける」が上映されているのでこちらも観に行った。

 ミリオン座で上映されているが、入場料はミッドランドスクエアより100円高かった。12時10分からの部の券は49番目であったが、中に入るといい席が空いていた。5列目の真ん中辺に座った。

 「この映画は実話にもとずいています」というメッセージから始まった。実話をもとにしてあるとリアリティが感じられてよい。アカデミー賞にノミネートされた重たい映画だということ意外に何の情報も持たずに観た。

 1841年に自由黒人としてニューヨーク州サラトガに住んで、家族と幸せな生活を送っていたバイオリン弾きが、ある日白人に騙されて拉致され、ニューオリンズに売られて綿花農園の奴隷として過酷な労働と生活を強いられる。

 綿花を摘むのは一日に92ポンドというノルマがあり、毎日計量して成績を示される。たくさん摘む奴隷が価値のある奴隷で、ノルマに満たないと鞭打ちという罰を受けるのだ。

 鞭打ちは背中がひどいけがをするくらい思い切り叩かれるのだ。その様子がリアルに描かれ観る方の胸が痛む。

 黒人は家畜と同じ扱いで、倒れたら埋められておしまいだ。主人は若い女性の奴隷を性の対象にもする。パッツイーという奴隷はそれがもとで奥様から毛嫌いされ、石鹸すらもらえない。それで近所に石鹸を貰いに行ったことを咎められて鞭打ちをされるところは実に残酷である。

 奴隷は金で買われたので主人の財産とされどうしようが主人の自由だということである。

 そうした中で主人公のソロモンはじっと耐えて、しかも尊厳を失わない。12年経ったとき彼は奴隷制反対のカナダ人大工バスと一緒に仕事をする。そこでバスに事情を話す。バスは約束を守ってある日ソロモンを助けてくれる役人が現れる。

 ソロモンは再び自由になれたが、他の奴隷たちはそのままである。南北戦争が始まるのは1860年。終わるのは1864年だからそれより10年も前の話である。実在のソロモンは、その後黒人奴隷解放の活動に加わったという。

 今になって黒人奴隷の映画が作られた意味はなんであろうか。人種差別の問題はアメリカの恥部であり、差別は様々な形で日本も含めて今も世界に存在する問題でもある。そういう意味で改めて見直すのはよいことである。

 なおこの映画は、アカデミー作品賞、助演女優賞、脚色賞を獲得した。

それでも夜は明けるのポスター

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コメント

 ミリオン座はスターキャットが関係しているようです。100円高いですが、いい映画も上映します。

ミリオン座とは懐かしい名前ですね。昔からアクションものでなく文芸作品、いわゆる名画を上映してました。名前は残ってますが今は映画館の様相も
ずいぶん変わったのでしょうね。それはさておき
「それでも世は明ける」とは意味深長でいい題名だと思います。今でも人間の犯す残虐行為は世界の
至る所で続いています。私は人間の心の奥底に潜む得体のしれない恐ろしさ、不気味さをいつも感じてしまいます。人間以外の動物は少なくとも同じ種であれば、勿論喧嘩はするが、そこまでです。人間はこの点で他の動物以下のように思えます。

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