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2014年2月27日 (木)

NHKを乗っ取ろうとしている安倍政権―松田浩氏の指摘

 安倍首相は、自らを支え応援していて、自分の考えに近い人物をNHK経営委員に送り込んだ。その内、百田尚樹委員は、東京都知事選で元自衛隊航空幕僚長の田母神俊雄候補の応援演説をして、「南京大虐殺はなかった」などと発言をした。また、長谷川三千子委員は朝日新聞社で拳銃自殺をした新右翼活動家を讃える追悼文を寄稿した人物である。

 その他にもNHK会長の籾井勝人氏は、従軍慰安婦問題に関して、「フランスにもドイツにもヨーロッパはどこでもあった」と述べ、「補償問題は全部解決した。蒸し返すのはおかしい」と言った。さらに「特定秘密保護法にカッカすることはない」という趣旨の発言をした。そして「取り消したから問題ない」との立場である。

 2月25日の朝日新聞「耕論」で、NHK経営委員の資質という特集をして、メディア研究者の松田浩氏と竹中平蔵慶大教授の意見を載せた。

 松田氏は、NHKへの政府の介入を第一次安倍内閣の時からやろうとしたといい、首相が送り込んだ経営委員が編集権に踏み込んだ発言を始めたという。しかし、07年の自民党大敗でもくろみがついえた。

 ところが第二次安倍内閣ではねじれが解消し、やりたいことがやれるようになったので、政権の望み通りの人物を委員に任命できるようになった。

 国際放送では政府の主張をしっかり伝えて行くというから、中国や北朝鮮のような「国営放送」になってしまう。しかし、松田氏は「私たちは国営放送のために受信料を払っているのではない」と言い、「NHKは優れた番組をつくり、私たちの知る権利に応えるような仕事をしてほしい」と語っている。

 いまNHKに起きつつあるのは、安倍政権によるNHKの乗っ取りだと指摘している。全く同感である。国会での圧倒的多数を背景に息のかかった経営委員を送り込み、NHKを意のままに操ろうとしているのだ。

 「公開の場で、全ての人が自由に発言すれば、真実で健全な意見は必ず勝ち残り、誤った不健全な意見は敗退する」と述べた17世紀英国詩人、ジョン・ミルトンの言をジャーナリズムの哲学であり根本であるとして引用している。

 竹中教授は、「ジャーナリズムにとって大事なのは、権力と距離を置くこと。そして、大衆に迎合せず距離を置くことだ」というハーバード大ニーマン・ファンデーションのトップの言葉を紹介している。

 安倍首相は情報を重視して、NHKを自分の手足をしたいことが見え見えである。教育の国家統制をし、憲法の解釈を変更して自衛隊が海外で武器を使えるようにしようとしている。また、戦争の道具としての武器の輸出の3原則も改めた。

 忘れてならないのは、特定秘密保護法を成立させたことである。国民の知る権利を法律の名の下に奪い取るのだ。

 まるでかつての大日本帝国が戦争に突進した過程をなぞっているような恐怖感を抱く。

 NHKはまた大本営発表のお先棒を担ぐのであろうか。桑原、くわばらである。

 

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コメント

 受信料不払いでも経営委員になったのですから、聴視者はNHKの番組に偏向がでたら堂々と受信料不払いをするとよいと思います。それが唯一の抗議手段です。

安倍首相は、かつてNHKの番組に文句をつけ内容を変えるよう圧力をかけたことがある。今度はNHKの経営委員に自分のお友達を送り込み、内部から圧力をかけていこうとしているように思える。あまりにも露骨な人事で、よくここまで出来ると思う。自分の気に入らない内容の番組を排除していこうとするのなら恐いことである。
 NHKの経営委員は放送法で「公共の福祉に関し、公正な判断をすることができ広い経験と知識を有する者から選ぶ」と決められているが、安倍首相が選んだお友達は、偏狭なナショナリズムや極端な思想の持ち主ばかりで余りにも程遠い。
 長谷川三千子氏は、以前NHKの放送内容に抗議し
受信料の不払いをしたことがあるという。経営委員になったら今度は受信料不払いをしている者に厳しい態度をとるのだろうか。

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