第63回稲垣流豊美会日本舞踊を楽しむ
第63回日本舞踊豊美会の発表会は、名古屋城前にある名古屋能楽堂で開催された。能楽堂と聞いて、すぐに能楽堂の能舞台のイメージが脳裏に描かれ、そこでどのように踊られるのかとても楽しみであった。
能楽堂は余り広くないので、いい席が見つからないと困ると思い、開場時刻に間に合うように家を出た。鶴舞線と桜通り線の両方が「丸の内駅」で交差するので、桜通線で行ったら、鶴舞線より長い距離を歩かなければならず、能楽堂まで20分余りかかってしまった。
会場に入ると意外にも空席が目立った。舞台に近い下手はまだ空いていた。通路を歩いていると、Tさんが座っていた。お嬢さんが出演されるので、私も券を頂いたのある。舞台の正面なのでいい席であった。
10時ちょうどに第一部が開演した。プログラムは四部になっていて、第一部は「歌謡の部」であった。能舞台は長い花道のような「橋掛かり」があり、「幕口」の「揚幕」を上げて登場し「華燭の宴」の踊りが始まった。
いつも橋掛かりから登場するのかと思ったら、暗転で板付きとして舞台にいる人もあった。舞台にはクリーム色の屏風の衝立が2曲置いてあり、衣装チェンジなどに使われた。
第一部は、高齢者ばかりで、中にはかなり高齢と見受けられる女性もいたが、元気に踊っておられた。日本舞踊は想像通り能舞台によく合っていた。これまでの広いステージと違い、動きが少ないに日本舞踊には狭い舞台がぴったりという感じであった。それに橋掛かりをうまく使って、そこでの所作を見せるものもあり良かった。
第二部は、「民謡・古典の部」であった。トップは家元のお孫さんの黒田節で、可愛くて拍手を貰っていた。
長唄、常磐津、地歌、筝曲などで長い踊りで、ベテランが踊ったようだ。Tさんのお嬢さんの舞蝶さんは、最後の常盤津「松の羽衣」を踊られた。
天人役で、相手の漁師伯了と二人の踊りであった。天女は衣装替えがあったり、一旦橋掛かりから退場してまた現れて踊ったりというもので、何と23分もの長丁場であった。常磐津の唄の言葉が聞き取れない部分が多かったが、羽衣の物語のストーリーを仕草、表情を豊かに演じ、日本の古典的ミュージカルとも言えると思った。
第三部は「歌謡の部」で、今度は中年から若い人たちが踊った。名古屋の「雨の堺町」とか沖縄民謡もあった。
私のマジッククラブの会長を見かけたので驚いた。聞くと第四部最初の長唄「松の寿」を親しい知人のお嬢さんの友紀洋さんが踊られるので観に来たそうだ。
第四部は、ベテランばかりの出演であった。友紀洋さんの踊りも衣装替えがあり見事であった。トリは家元の踊りである。第四部が一番よいので最後まで観たかったが、次の予定があったので15時15分ごろ会場を出た。
日本舞踊は普段は観る機会がないので大変楽しい時間であった。踊る人たちのいろいろな豪華な衣装を観るだけでも目の保養になったが、何と言っても伝統文化を受け継ぐものに接した喜びが大きかった。
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常磐津ですが、能のようなところがあり能舞台にぴったりでした。素晴らしい踊りでした。
投稿: らら | 2013年11月26日 (火) 21時12分
今年は用事がありましたので拝見できませんでしたが、Sさんの娘さんは能舞台で立派に踊られたようでしたね。写真から拝察すると・・・日本の伝統芸術を大事に継承して頑張って見えますね。
投稿: fumiko | 2013年11月26日 (火) 12時06分