「名月」というりんご
スーパー・タチヤに行ったら、珍しいリンゴを売っていた。札を見たら「名月」という凄い名前であった。見かけは「トキ」に似ているがトキよりももっとトキ色である。
珍しいものが好きなので早速買ってきた。妻に「『名月』というりんごだよ」と言ったら、「すごい名前ね。名月をとってくれろと泣く子かな」という俳句をしゃべった。
次の日、冷やしておいた「名月」を食べた。先に口にした妻が、「おいしわよ」と言った。どれどれと一口噛むと甘くて歯触りがよかった。「ほんと、おいしいね」と言った。妻が「名月をとってくれろと泣く子かな って、誰の俳句?」と聞いたので、「小林一茶だろう?」と答えた。
念のために調べたらやはり一茶であった。その時驚いたのは、一茶が何度も結婚していることや子どももたくさんいたが死んでしまったことだ。だが一番驚いたのは、一茶が”交合の俳諧師”と呼ばれ、2番目の妻には飽くなき性欲が原因で逃げられてしまったことだ。この句は最初の結婚の数年前に作られたものらしい。
学校で勉強したときは、俳句のことしか習わなかったからそういう話は初耳であった。
りんごの名月から話が横にそれてしまったが、元に戻す。「名月」は「ぐんま名月」と言って、群馬県総合農業試験場北分場で作られたもので、「あかぎ」と「ふじ」の交配種だそうだ。1991年9月に品種登録をされたというから22年も前の話である。
これまでお目にかからなかったのは、主に群馬県で栽培されていて、大都市に出回らなかったからだという。「名月」のように黄緑色や黄緑に朱が混じったものは、最近では「トキ」とかとか岩手の「黄王」や「采香」などいろいろある。長野の「シナノゴールド」もその仲間だ。
「名月」が作られた頃は、リンゴは赤くなくてはならず、黄緑色系のリンゴは都会では売れないと考えられていたようだ。そういえば黄緑色系のリンゴは、昔はインドリンゴがあったがいつの間にか無くなった。その後出てきた「王林」だけは健在である。
この頃は売るために品種も多様化してリンゴの種類も多くなった。おそらく世界では日本が一番種類が多いのではないかと思う。
若い頃は、「国光」が一番人気で、「デリシャス」とか「ゴールデンデリシャス」とかは高級りんごであったが、姿を消してしまった。
りんごでは何と言っても「サンふじ」の味が一番だと思う。12月が楽しみだ。
●詳しい情報は
http://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/fruit/apple-Meigetsu.htm
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アメリカやカナダでもリンゴは小ぶりで野性味があったように記憶します。日本は改良リンゴの王国でしょうね。
投稿: らら | 2013年10月31日 (木) 16時55分
過日、ドイツに出かけた際、朝食の時に果物としてリンゴがよくでてました。やや小ぶりで、酸味が強く、子供のころよく食べた紅玉のような昔懐かしい味でした。本来リンゴはこんな味ですが、日本では品種改良が進んで、酸っぱいリンゴは皆無となりました。りんごも、みかんも、いちごも果物すべからく甘くなりました。これでは糖分のとり過ぎになり糖尿病患者が増えるはずと思えてきます。
これほど果物の品種改良に血道を上げるのは日本だけでしょうか?自然のままがいいようにも思えますがそれでは売れないので、難しいところです。
投稿: Toshi | 2013年10月31日 (木) 08時29分