「そして父になる」を観た
第66回カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞した「そして父になる」を観に行った。ミッドランドスクエアとミリオン座の2か所でやっているが、ミリオン座へ行った。入場券売り場でシニア料金を聞いたら、1100円だと言ったので、思わず「ミッドランドは1000円だよ」と言ってしまった。ペットボトル1本分だ。それで飲み物は節約することにした。
この映画は観ながら、「もし自分の家族がそうだったらどうするだろう?」と考えさせられた。映像はシーン切り替えで暗転が多く、また、シーンとシーンとのつながりが分かり難いところがあって、物語を構成しながら観なければならなかった。
映画祭で上映が終わったとき、10分間ほどのスタンディングオーベーションがあったそうだが、外国語の字幕で外国人がどのように理解したのであろうか。最後まで観終れば一つのストーリーがつながって、ああ、あのシーンは、あのエピソードは、そういうことだったのかと理解できる。
病院で出産した子どもが取り違えられていたことが6年後に発覚することから、家族の葛藤が始まる。メインになる方の家族が福山雅治と尾野真千子と二宮慶多でもう一方の家族はリリー・フランキーと真木よう子と黄升炫である。
この2家族の配役がぴたりとハマっている。福山は都心の高級マンションに住み、子どもを私学の幼稚園に入れるような一流建設会社のエリート社員役を見事に演じているし、尾野真千子もその妻と子ども一筋の母親を的確に表現している。
群馬で電気店を経営するリリー・フランキーとその妻の真木よう子については知らなかったが、3人の子と老いた父親を含む6人家族が、庶民的で温かくて賑やかな家庭を作っている様子をうまく演じている。
それぞれの家庭では、自分の子と信じて6年間過ごしてきた訳で、突然それが取り違えであったことを知り、どうしたらよいか悩みむ。通常なら100%血のつながりある自分の子どもを取り戻す交換をするというが、彼らはそうできない。両家族が出会うことから始めて、週末に子どもが一方の家に泊りに行くというようにして試行錯誤をする。
野々宮(福山)は、早く交換する方がよいと主張して、子どもの交換をするがなかなかうまく行かない。そして育てた子どもの子とも忘れられない。悩む方は福山の家族を中心に描かれ、福山と尾野を通して心の葛藤を観客は追体験するのだ。
私は、両家族が親戚のような関係を築いて、両方で育てて行けばよいと考えるようになった。結末はちょっと分かり難いが多分その方向を示唆したのではないかと思う。
« 早乙女勝元氏の講演「語り継ぐ平和への想い」 | トップページ | 東北復興支援「みちのく屋」開店に行ってきた »
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 「光る君へ」脚本家大石静氏へのインタビューを読んで(2024.07.02)
- 名古屋の「虎に翼」ロケ地(2024.05.31)
- やはり面白くない「光る君へ」 (2024.05.23)
- ポツンと1軒家番組(2024.05.07)
- 相変わらず面白くない「光るの君へ」(2024.03.27)
コメント