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2013年10月17日 (木)

大事なことに触れていない首相演説

 安倍首相の臨時国会での所信表明演説を読んだ。すんなりと読めたが、、きれいな言葉を使っての感性に訴える抽象的な演説で、大事な点には触れていないのが問題である。

 「三本の矢」は世の中の空気を一変させたと胸を張るが、大多数の国民の実感は物価が上がり始めたことである。それによって生活への不安が増している。デフレからの脱却を迷わずに進むしかないというが、そのために8%に増税する消費税の大半を復興法人税の前倒し終了などで企業に還元することについては全く触れていないのだ。さらに首相がこだわる法人実効税率引き下げについても述べていない。 

 「日本人はいつしか自信を失ってしまった。長引くデフレの中で日本人は委縮してしまった」と決めつけている。私はそうは思わないが、仮にそうだとして、その原因をつくったのは自民党政治そのものではなかったのか。だからこそ3年前に国民は自民党にNOを突きつけたことを忘れてもらっては困る。

 「若者が活躍し、女性が輝く社会を創り上げること。これこそがわたしの成長戦略だ。新しい日本の幕開けだ」と強調している。本当にそうなることを願っている。

 「今後10年間で、農業・農村全体の所得倍増を目指す」と池田元首相みたいなことを言っている。TPPが年内に交渉妥結をみると想定されているが、TPPの下で果たして農業を進興し活性化できるのであろうか。そのために「農地集積バンク」を創設するというが、意欲ある民間企業に投資してもらいたいと言っている。農業の株式会社化を念頭に置いているのではないのか。

 「現実を直視した外交・安全保障政策の立て直しを進めていく」として、「積極的平和外交」という言葉を前面に出した。そして国家安全保障会議を創設し、国家安全保障戦略を策定するという。しかし、集団的自衛権については言及しなかった。

 本当は喫緊の課題であるはずの中国、韓国との関係改善についても黙ったままである。それが積極的平和外交の核心の一つなのであろうか。

 また、今国会に提出する「特定秘密保護法案」についてもダンマリをきめこんでいる。今後の国会審議次第では知る権利や言論・報道の自由を左右する重要な法案である。どうして黙りとおすのであろうか。

 社会保障改革や財政再建についても、どのようにもとれるきれいない文言をならべただけで具体性はない。「心 志あれば 必ず便宜あり」という引用も空疎に響くだけである。

 かつて安倍首相は「美しい日本」を唱えたが、どうやらその類の美辞麗句が好みであるようだ。私の推測では、本当にやるのは、憲法解釈変更による集団的自衛権であり、特定秘密保護法であり、TPPであり、消費税増税であり、大企業優遇の税制であり、社会保障の低減であると思われる。

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コメント

 自民党にオールマイティを与えたのでやりたい放題です。自民党内のリベラルも声を潜めて安倍首相に従っている状況で日本の前途は暗いです。

当面、国政を左右する選挙はないのでねじれ解消を
を好機として安倍総理が実現したいと目論む政治課題を矢継ぎ早に推進していくものと思われる。総理がいう決められる政治、結果を出す政治の実現である。国民は自民党にオールマイティを与えたので、
世論とはねじれがあると言ったところうで時すでに遅しである。問題は外交である。TPPについて自民党は例外なき関税撤廃は前提としないという公約であった。その心はそのような前提で臨みますよという話だけで、相手のあることだからどうなるかわからないというのが本音なのだ。多分大幅譲歩ということになりかねない。これも公約違反と言っても
後の祭りである。中国や韓国とどう折り合いをつけていくかも妙案があるわけではない。経済についてもアメリカ経済の行方次第である。とどのつまり、やたら自助努力が強調される寒々とした社会へ逆戻りする恐れなしとしないのである。

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