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2013年10月21日 (月)

すい臓がんの検査法を開発したアメリカの少年のプレゼンに感動

 NHK、Eテレが毎週月曜日に放映するスーパープレゼンテーションには毎回感動することが多い。7日の放送は、15歳の時に、すい臓がんの、安価で確実性の高い検査方法を開発した16歳の少年のプレゼンであった。

 弱冠16歳の高校生なのに、彼の話しぶりは堂々としていて、ユーモアも交えて素晴らしかった。だが感動したのは彼のプレゼンぶりではなく、検査法を開発するまでのプロセスであった。彼の名はジャック・アンドレイカという。

 彼がすい臓がんの検査法を開発しようと思った動機は、彼の知り合いの小父さんがすい臓がんで亡くなったことであった。すい臓がんの発見は非常に難しく生存率は20%と言われる。スチーブ・ジョブスもすい臓がんで亡くなった。

 発見が難しいのはその検査方法にある。血液をもとに検査するのだが非常に見つけにくく、その上検査費用も800$(80000円)と高額である。しかも、検査方法は60年来変わっていないことを知り彼は驚いたそうだ。

 彼はまず、インターネットで調べることにした。使ったのは検索エンジンGoogleであった。wikipediaとPublic of Scienceで調べた。Public of Scienceでは研究論文を無料で見ることができる。

 その結果、ガンに関係したタンパク質が8000種類以上あることを知った。全ての初期のガン患者全員の血液から見つかること、バイオメーカーになることを基準にして、それらのタンパク質をを丹念に調べた結果、一つのタンパク質が有効そうだということを見つけた。それがメソテリンというタンパク質である。

 次にそれを使ってどのようにして検査法を作るかであった。彼はいくつかの条件を設定した。

 安価であること。 検査スピードが速いこと。 簡単に検査できること。 感度が高いこと。 特異性が高いこと。 低侵襲性であること。

 彼によると、検査法はある日の生物学の授業中にひらめいたのだそうだ。彼に言わせると「抗体」についての退屈な授業で、彼は科学雑誌を読んでいた。そこにはナノチューブについて書いてあった。それを読んだとき、「抗体」と「ナノチューブ」を組み合わせることを思いついたのだ。

 次に彼がしたことは、研究場所を探すことだ。研究提案書を作成してそれをe-mailでアメリカの大学や研究機関の教授200人に送ったのだ。しかし、残念ながら199人からは駄目だと言ってきた。たった一人、興味を持ってくれたのが、ジョンズ・ホプキンス大学薬学部のアンルバン・メイトラ教授であった。

 メイトラ教授はガンの早期発見の研究者であった。アンドレイカ少年を研究室に呼んで20人ほどの研究者と共に質問攻めにした。それをクリアして少年は研究室を使わせてもらえることになったのだ。

 そこで7か月の試行錯誤の末、新しい画期的な、しかも将来性のある検査法を作りだしたのである。抗体とナノチューブを沁みこませた検査紙で、それに血液または尿を1滴たらし、5分後にナノチューブの電流の変化を調べるというものであった。電流の減少の度合いによりガンを見つけることができるのだそうだ。

 この方法は、費用はたった3セントででき、時間は5分、100%正確だという。従来の方法の1/26000の費用で、400倍の速さ、168倍の正確さなのだ。

 アンドレイカ少年は論理的に考え、研究を進めている。彼も言うようにインターネットは情報の宝庫である。まずそこから手がかりを見つけ、次に8000種類以上の手掛かりを丹念に調べ、一つのタンパク質に到達した。熱意と根気のたまものである。

 また、検査方法を作るのに、安くて速くて正確なものを目指している。従来薬などの開発には伊藤氏も指摘するように何十億円という莫大な開発費を投入するのだ。

 ところが彼は僅かな費用で目指すものを作ってしまった。そこにはメイトラ教授との出会いも必要であった。200人にメールを送ってたった一人が興味を示してくれたのである。運命的なものであったかもしれない。

 彼の手法は卵巣がんや肺がんなど他のガンにも使える可能性を秘めていると言われる。これからが楽しみである。世界に広がればノーベル賞も?

 

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コメント

 ご指摘有難うございます。字幕の通りにしたつもりですが・・・・

本文内容に問題はありませんが、
School of Medicineは薬学部じゃなくて医学部です

あと、Anirbanhaは、日本語的に書くとするとアニルバン可なんかだと思います

 15歳の少年の発想と追及の仕方が素晴らしいです。オバマ大統領にも会って励まされたそうです。

私の親しい友人知人が最近、相次いで膵臓がんで
亡くなったので大変興味深い話しだと思いました。しかも若干16歳の高校生が画期的な検査方法を開発したとは驚きです。医療業界のこうした類の開発はとにかく儲かるかどうかが最大の基準になるので、それとはまったく無関係な若者の発想が時には大きな発見、発明につながる可能性はありうることかもしれません。話しは飛躍しますが、本物のガンは早期発見された時点ですでに転移しているという
説もあり(近藤誠氏の著作より)一筋縄ではいかない面もあるようです。

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