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2013年10月27日 (日)

特定秘密保護法案に反対

 安部内閣は25日、特定秘密保護法案を国会に提出した。この法案提出の翌日の朝日新聞は一面、2面、3面、4面などを使って解説を含め詳細に危険性を取り上げ、さらに5面に全文を掲載し、社説では特定秘密保護法案の危険性を列挙して「この法案に反対する」と明確に主張した。

 同じ日私は読売新聞を読む機会があった。驚いたことに特定秘密保護法案については国会に提出されたことやこの法案の意義について少し触れている程度であった。

 産経新聞に至っては、民主党が情報公開法改正案を提出したことを報道しているだけである。

 毎日新聞は社説で、「特別秘密保護法案 国会は危険な本質を見よ」と書き、「行政内の情報保全の徹底と、現行法の厳格な運用で情報漏えいは防げるはずだ。法案は国民主権をはじめとする憲法の規定と根底でぶつかる。国会は審議でその危険な本質を明らかにし、法案を廃案にすべきである」とした。

米国との比較も入れて一番わかりやすく説得力があるのは「東京新聞社説」である。さすが東京新聞と褒めておこう。下記のURLをクリックして是非読んでほしい。

 http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013102302000123.html

 この法案については、日本弁護士会、日本ペンクラブ、日本新聞協会などが反対をしている。

 マスコミの対応は大きく分かれたが、これは憂うべきことである。なぜなら特別秘密保護法案は、戦前のようにマスコミが権力に取り込まれ、戦争へ突進したのと似たような歴史を転換する大事だからである。

 特別保護法案の危険性は、毎日新聞が指摘するように、憲法の根幹にかかわることである。国民の知る権利を奪うものである。

 何が秘密に相当するのかは行政機関の長が決める。その場合何が特定秘密に指定されたかを知ることはできない。だから都合の悪いことは何でも「秘密」にしていまうことも可能なのだ。

 何が秘密かがわからないから、後で追及することもできないどころか、調べようとする行為自体が違法とされるのだ。マスコミや市民運動が知ろうとしても、知る権利の明記は努力規定であり、解釈する政府側の判断次第でどうにでもなるのだ。

 秘密の保持期間も、30年たっても内閣の承認があれば自由に延長が可能となっているから永遠に秘密ということもありうるのだ。

 法案は公務員らに「適正評価」を義務付けている。身元調査のような厳しいものでそれをクリアしなければ特定秘密を扱えない。

 家族構成、特定有害活動やテロやスパイ活動との関係、犯罪懲戒歴、情報取り扱い違反、薬物の乱用・影響、精神疾患、飲酒習慣、経済状況などの信用状態、両親の国籍などがあり、当然思想信条も調べられることになる。

 その対象者は、外務、防衛、警察だけで6万4千人だが、他の省庁も地方自治体も含められるだろう。弁護士会はプライバシイの侵害につながりかねないと懸念する。 職場の配置や昇進等にも影響するから公務員の士気にもかかわるだろう。

 要するに安倍内閣がやろうとしていることは、戦前のように国民の目と耳や口をふさいで政府の知る権利を奪い、政府のやりたいようにできる国家統制をすることだと言える。

 戦後68年間、これまでこのような法律がなくてもやって来られたのだ。毎日新聞が言うように、現行法規の厳格な運用で十分なはずである。ここへきて安倍内閣がやろうとしてしている憲法解釈変更による集団自衛権と国家安全保障会議の新設と密接に関係している。日米安全保障条約でアメリカの要求に沿い特定秘密を提供するためのものであるという指摘もある。

 国会がチェックをするのも不可能になると言われ、国会の役目を果たせなくなるのである。

 まだまだいろいろと問題があるが、国民主権と民主主義に重大な影響を持つ特定秘密保護法だということをよく調べて、その危険性を認識し、廃案にすることが大事である。

 

 

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コメント

特定秘密保護法に反対する国民が着実に増えている
特定秘密保護法を十分に審議しないで臨時国会で成立する
日本が戦争する
弾圧立法
特定秘密保護法が成立する
平成の治安維持法
11月上旬に特定秘密保護法を審議する
国民を目隠しする

 非常に大切な法案なのに、自民党・公明党は十分な審議をしないで今臨時国会中の可決を目指しています。数に頼んでやりたい放題です。

孔子の有名な言葉に「寄らしむべし、しらしむベからず」ということばがある。この意味は「為政者は人民の施政に従わせればよいのであって、その道理を人民にわからせようとする必要はない。」と一般には解釈されている。要は無学な民衆に政策や政府の持っている情報を教えてはならない。という解釈である。この言葉により孔子は権力者思考だから嫌いだという人も多い。ただ、孔子の時代は確かに無知、無学な人が大多数であった。孔子は現実問題として、しらしむことは不可能なので、為政者は自らの人徳を磨き人民に信頼されるようにすべきであるという善意の解釈もある。それはともかく国家が安全保障のために特定機密が存在することを否定しないとしても、特定機密の解釈ははっきりした線引きがないので、都合のよいようにどんどん拡大解釈される恐れは十分にありうる。これがすんなり通るようでは野党の存在価値はゼロに等しいと思わざるを得ない。

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