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2013年9月19日 (木)

「乳酸菌は死んでもよいという

 ビオフェルミンという有名な整腸薬がある。戦前からあって子どもの頃お腹をこわすと母がビオフェルミンをくれたものであった。ちょっと甘い感じがしてこの薬を飲むのは嬉しかった。

 大人になってビオフェルミンが乳酸菌で出来ていることを知った。この薬は常備している。

 中国へ行くと、最初はだれでも必ずと言っていいほどひどい下痢に見舞われる。そういう時は正露丸で下痢を止めるのだが、その後はビオフェルミンで腸を整えるのがいいと思って実行してきた。

 でも、最近は正露丸などで下痢を止めるのはよくないという説があり、百草丸を飲むようにしている。

 ところで話しをビオフェルミンに戻す。いつの頃からか「新ビオフェルミン」という製品に変り、効能書きを見ると「生きてはたらく乳酸菌」としてあり、3種類の乳酸菌(ビフィズス菌、フェーカリス菌、アンドフィルス菌)が生きたまま腸に届いて増え、整腸に役立つと書いてある。

 錠剤は乾燥して固められているが瓶の中でいつまでも生き続けるのかという疑問が常にある。仮に生きているとして、腸まで届くというのも不思議である。

 その後植物由来の乳酸菌で腸に届くと謳うヨーグルトも現れ、腸に生きたまま届くはヨーグルトのセールスポイントのようになっている。

 乳酸菌が生きたまま腸に届いて繁殖すればそれは結構なことに違いないが、乳酸菌が死んでしまっても役に立つというのが最近の研究成果であるようだ。

 「乳酸菌生活は医者いらず」によると、乳酸菌は腸にとどくまでに胃酸によって約90%が死んでしまうという。その上運よく腸に届いた乳酸菌も腸の免疫作用によって3~7日ほどで腸から便として排出されてしまうというのである。

 そうするとビオフェルミンの整腸効果はどのようにして行われるのかという疑問が沸き起こる。腸まで届いて働くというヨーグルドだって同じだ。

 ところが乳酸菌は死んでもよいというのである。それはヨーグルドなどの乳酸菌が作り出した物質が腸に届き、乳酸菌の仲間を増やしているそうなのだ。乳酸菌が作り出す物質が、腸内環境の改善に役立つというのである。

 「発酵食品が腸にいいというのも、『生きた菌』そのもの以上に、発酵食品の中に乳酸菌が作り出す物質が含まれていることにあるのではないかと考えられています」(P.119)と述べている。

 残念ながらその「物質」が何であるかは書いていない。これから分かってくることなのかもしれない。

 でも、乳酸菌はそれが作り出す物質が大切な役割を担うというのは嬉しい話である。毎日ヨーグルドや納豆や漬物など発酵食品を食べることで腸内を整えられるのだから。

 

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