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2013年9月30日 (月)

「達者でポックリ」を読んで

 帯津良一さんという名前は、本屋へ行くとよく見かける。あの近藤誠、藤田紘一郎さん、安保徹さんなどの本と共に著作が多いように思う。長生き社会になって健康への関心が高いからであろう。

 たまたま図書館へ行ったときに、「達者でポックリ」という帯津良一さんの本を見つけて借りてきたのである。帯津さんの本を読むのは初めてであった。

 ボランティアの日本語教室へ行く電車の中で読み始めて、教室では担当の学習者が二日酔いで欠席したので、最後まで読んでしまった。

 前書きの見出しに、「『死』を楽しみに生きる」と書いてあり、続いて

 皆さんは「死」が怖いですか?

 私は「死」が実に楽しみです。

と、始めている。

 「死」を忌み嫌ったり、タブー視する傾向があるが、「死」を考えることは、今をよりよりよく生きるために欠かせないことで、いつかは訪れる自分の死について、日ごろからしっかりした心構えを持つことが大事だという。この本の中で、日ごろ死について考える時間を持つように強調されている。 

 「私たちの命は宇宙の大きな流れの中で循環しています。『死』は終わりではなく、魂のふるさとである「虚空」への旅立ちなのです。

 旅立ちなのですから、今を生きながら『死』に向かって、日々エネルギーを高め続けることが大事です。

 死とは生命の躍動のクライマックスなのです。生命のエネルギーが最高になったときに、自ら積極的に死の世界に飛び込むのです。」(P.3)と書いている。

 本を読むとエネルギーを高めて、死に飛び込む意味が理解されるが、前書きだけでは難しいであろう。

 死に方としては、「ポックリ」が最善だという。これは誰しも望むところである。ただ、帯津さんのいう「ポックリ」は捉え方の幅が広い。本の中でいろいろな例を紹介しているが、病院で亡くなることでもポックリの範疇に入る例を挙げている。

 また、死ぬまでの時間も突然死だけでなく、3か月とか1年とかの長い期間の後の死も認めている。「寝たきり」とか「延命治療」ではポックリは望めないとしている。

 また、ポックリ死のためには、日ごろ死について考え心構えを持つことの大事さの他に、日ごろの「養生」の仕方についても述べている。

 「死後の世界」については様々な考え方があり、私は彼とは違う考えだが別の機会に触れたい。ただ「死」について考えを整理しておくことには賛成である。

 

 

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コメント

 人間以外の動物は、死期を知り従容と死につきます。そうありたいものだと思っています。

最近ガンは昔と違ってはっきり告知され、末期であれば医師から余命までいわれるそうである。国民の3人に1人はガンで死亡する現在、末期がんで余命3カ月と宣告される可能性はかなり高い。私の親しい知人が最近、膵臓がんで余命を宣告され、亡くなった。その心中はいかばかりであったか、極めてつらいものだったに違いない。誰もが自分なりの死生観を持つ必要がある所以であり、有史以来、宗教がその役割を果たしてきたといえよう。それでは無宗教の人はどうするか。近藤 誠の著書の中で「生殖能力がなくなってからも長生きするのは、哺乳類では人間とクジラだけ」という話がでていた。要は生殖能力を失ったら、死ぬのが普通なのだから、いつ死が来ても諦めなさいということなのだ。目下のところこの話が私には一定の説得力を持っている。

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