有識者って何だろう?
安倍首相は、やたら「有識者」を集めて意見を聞くことが好きだ。アベノミクス、教育制度、安全保障政策、社会保障問題、消費税問題など,多くのいわゆる「有識者会議」なるものを作って諮問してきた。
消費税問題では、60名もの有識者を集めて広く意見を聞いたことになっている。その人たちのほとんどは消費税に賛成を表明した。
安全保障政策で集められた有識者は、大半が安倍首相の進める安全保障政策に賛同する人たちだ。
教育政策についても安部首相がやろうとしていることに反対の立場の人はお呼びでない。
社会保障政策も清家氏を議長とする有識者会議は、安倍首相の意向に沿って、結論を出した。それは社会保障費の増大を理由に社会的弱者の生活をさらに抑え込むものであった。
一方アベノミクス関係の有識者たちは、トリクルダウン理論に基づき、大企業に各種の減税を与え、企業が儲かればそのうちその恩恵が下に来るというものであった。今までのところ大企業と金持ちだけが恩恵を受けているだけである。
有識者について辞書で調べると、「学問があり、見識が高い人」だそうだ。幾つかの辞書で同じことが書いてある。
有識者として召集される人たちは確かに「学問」はある人たちであろう。では「見識」とは何であろうか。いくつかの辞書によると、
1 物事を深く見通し、本質をとらえる、すぐれた判断力。ある物事に対する確か な考えや意見。識見。「―を備えた人物」
2 気位(きぐらい)。みえ。「彼女はいやに―が高い」
全ての有識者が「物事を深く見通し、本質をとらえる、優れた判断力」を持っている人と言えるかというと、必ずしもそうでないことは彼らが出す結論から分かる。
安倍首相が集める有識者は、あくまでも首相の意向に沿った人たちである。初めから結論は決まっているのだ。新聞にも書いてあったが、政策を進める上でのお墨付きをもらうためで広く意見を聞きましたという体裁を作るためのものである。
結論が分かっているものに賛成の意見を述べるだけの人が本当の「見識」を持ってると言えないことは容易に分かることである。体裁はともかく、大政翼賛会と何ら変わりがないと言えよう。
本当の有識者とは、私利私欲にとらわれず、迎合することなく、信念をもって意見を言える人のことである。
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