東京オリンピックは「第4の矢」と喜ぶ安倍首相
9月10日の朝日新聞朝刊によると、安倍首相は五輪の決定直後、フジテレビの生放送で、「オリンピックは夢と希望だ。経済では”第4の矢”と言ってもいい」と興奮気味に語ったという。
アベノミクスの「金融緩和」「財政出動」「成長戦略」の3本の矢に続き、「東京五輪」は「第4の矢」になるというのだ。
東京オリンピックのために東京都の試算によると、約1兆2200億円もの需要が生まれるとされる。
建設業界では、競技場の新設、メーンスタジアムの改修、道路交通網の改善などをあて込んでいる。国立競技場の建て替えには1300億円が投じられるという。受けるのは大成建設か鹿島建設か・・・いずれにしろ儲けが約束された大事業である。
効果は幅広い業種に及ぶと予想されている。スポーツ用品メーカーのミズノの株価はストップ高であった。英会話などの語学学校、ホテル、不動産、観光業界、警備会社・・・・などが恩恵に浴すると言われる。
オリンピック成功という大義名分のために、政権党の自民党・公明党は公共事業費を大幅に支出できると意気込んでいる。「五輪特需」と言われるゆえんである。
これまでも復興予算が復興関係以外に流用されてきた経緯がある。オリンピック成功のためにといえば何でもありということになるのではないか。
自民党は政権を取っていたときは、公共事業に税金の垂れ流しを続け、それで政権を維持してきたいきさつがある。そのことはいつの間にか忘れられてしまったかのようである。
オリンピックで浮かれ浮かされている間に感覚を麻痺されて、一部企業の儲け放題になることを恐れる。野党は冷静にチェックをしてもらいたいものである。
経済波及効果は2020年までの7年間で約2兆9600億円と試算され、約15万人の雇用を生み出すと言われる。関連業界が儲かると給料も上がり、消費が増えると目論まれているのだ。
「15年続いた縮み志向の経済を、五輪開催を起爆剤として払拭したい」と安倍首相は意気込んでいる。
しかし、一方で東日本大震災で被害を受けた岩手、宮城、福島の3けんではプレハブの仮設住宅に住む人が9割もいるのだ。その一人は「東京五輪が決まったのは嬉しいが、資材もお金も人も東京が優先されて福島の復興が進むのか不安です」と語っている。出来るだけ早い復興を成し遂げる必要がある。
10月1日には安倍首相は消費税値上げを決断すると言われるが、五輪効果でデフレ脱却をし、64年前の東京オリンピックの時のような経済発展が期待できるのか見守りたい。
我々庶民の所までトリクルダウン(おこぼれ)してくるのかどうか?
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