懸賞ごまかし
8月19日の朝日新聞夕刊に、「『5名様に当たる』はウソだった」という見出しの記事が載った。出版社の秋田書店の読者プレゼントで、当選者数を実際より多く表示をしていたとして、消費者庁が出版社の秋田書店を景品表示法違反として措置命令を出すということだ。
複数の読者に当たると表示をしていながら、一つも発送していない景品もあったという。
秋田書店と言えば、「週刊少年チャンピオン」など若者向けの漫画、コミック本などを出版している。同社は過去数年にわたり、複数の雑誌でこうした不当表示を続けていた可能性があるそうだ。
女性向け漫画月刊誌では、ファッション雑貨や家電製品が「5名」当たると記載されていたのに、実際にはそれより少ない数が発送されたり、当選者が0の景品もあったという。
雑誌に当選者名を発表していたが、架空の名前を表示したケースもあったという。応募者は景品が届かなくても、当たらなかったのだと思うだけで不審には思わないからばれなかったのだという。
このような景品のいい加減さは、何も秋田書店だけのことではないと思う。どこでもやっていることであろう。
一番巧妙なのが「当選は品物の発送でかえさせていただきます」というものだ。これなら誰にも景品を送らなくてもばれることはない。
「当選者氏名を新聞、雑誌、または店頭に発表します。」というのも、秋田書店のように架空の当選者名を使えば簡単に騙せるのだ。
「先着○○名様」というのもインチキである。このやり方では嫌な思い出がある。八事のジャスコに「御座候」(姫路に本店)が開店したときのことだ。「開店先着○○名様」というので開店の朝、夜が明けないうちにハガキを送ったのだが、駄目であった。電話で尋ねたら遅かったというのだ。
こんな経験もある。近所の店でセールをやったのだが、私はセールが終わる間際に行った。するとまだ景品のサインボールなど1等、2等の景品が残っていた。ところが当ったのは4等であった。
それで分かったのだが、よい景品を最後まで見せておくために籤から外してあったということだ。
私はもともと籤運が悪いから景品に応募することはほとんどない。たまに確率のよい商品のシールを集めて送っても当たった試しがない。だから運が悪いだけでなく、会社が操作をしているのだと思っていた。
今回の記事を見て「ああ、やっぱり・・・想像通りだ!」と意を強くした次第である。
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上司に不正をするのはおかしいと進言した女性社員は解雇されたそうです。ただしいことが抹殺される、その”常識”が怖いです。
投稿: らら | 2013年8月24日 (土) 10時12分
企業の販売戦略として応募者のうち抽選で何々が当たるという話はよくあることです。一般的にはその抽選が公正に実施されることを証明するため、公開抽選をうたうことが多くあります。でもこの公開抽選もインチキをしようと思えばやれないことはないので最終的には各企業の倫理観の問題に行きつきます。最近、コンプライアンス(法令順守)がよく言われています。公正・適切な企業活動を通じ社会貢献を行なうという意味ですが、今回はコンプライアンスに悖るというべきです。多分、社員の内部告発によって?表ざたになっただけで、同様のケースは
多々あるのではと思われます。
投稿: Toshi | 2013年8月24日 (土) 08時15分