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2013年8月17日 (土)

安倍首相、式辞でアジア諸国への加害に触れず

 終戦68回を迎えた8月15日の全国戦没者追悼式で、1993年の細川首相以来続いて来たアジア諸国に対する加害責任と「深い反省」や「哀悼の意」、そして「不戦の誓い」を無視した。

その理由は、「白紙で一から作り直したい。誰のため、何のために開く式なのか、抜本的に考え直してほしい」ということで、官邸スタッフに指示して、戦死した人々の犠牲の上に今日の日本があるともっぱら、戦没者への追悼に終始した。

 これは詭弁である。国内の出来事だから国内中心でよいという勝手な論法である。日中戦争、太平洋戦争で朝鮮半島や中国のみならず、はるか南方のビルマやインドシナ半島、フィリピン、インドネシアなど南方の島々にまで兵力を送り、現地の人々に多大の損害と犠牲を与えたことを戦没者とは無関係だと言えるはずがない。

 アジア各地に行って戦い、戦死した何百万の兵士はお国のためと狩り出された戦争の犠牲者であるが、戦った相手から見れば理不尽な憎んでも憎み切れない戦争であったのだ。

 戦没者慰霊の式では、相手国への慮りが当然なされるべきである。歴代首相が述べてきた加害責任への言及と哀悼の意、戦争への反省は絶対省いてはならないものである。

 安倍首相は、8月15日の靖国神社への参拝は見送ったが、任期中には必ず行くと公言している。

首相の靖国参拝がなかったということで韓国や中国の態度は多少和らいだと言われるが、戦没者追悼式での式辞で、アジア諸国に対する加害者責任に触れなかったことで不信感を抱かせた。

 安倍首相はどうして執拗に自説に拘るのか私には理解できない。「侵略という定義は学界的にも国際的にも定まっていない」と国会で答弁し、中国、韓国だけでなく米国からさえ批判された。侵略については国連で定まっているではないか。

 中国、韓国をはじめアジアの各国と歴史認識でぎくしゃくするのではなく、過去の過ちは素直に認めて、未来へ向けての友好的外交をすべきである。領土問題は外交を通じて解決する努力を積み重ねてほしい。

 軍事力を強化し、集団的自衛権で特定の国に加担をするのではなく、平和外交で世界の理解を得るように努めることが大事である。戦後の日本は戦争をしないことで武力を使わないことで信頼を得て来たのだ。その信頼を崩すような戦争への道を開くことは絶対にやめてほしい。

 

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コメント

 安部首相は日本の未来に責任を持つ政治家たりえないどころか誤った方向へ導こうとしていると危惧しています。

安倍総理は総選挙で「日本を取り戻す」という勇ましいスローガンを掲げて勝利したことは記憶に新しい。日本を取り戻すとは、元気な経済を復活させることは勿論のこと、政治外交的にも周辺国に舐められてばかりの現状から脱却するという強い意志も込められていると思う。しかしながら経済はともかく
政権を担当すれば外交も現実的な対応を取らざるを
得ないのである。今回のスピーチにしても安倍カラーをもっと盛り込みたかったかもしれない。彼の
政治信条は産経新聞発行の「正論」がバックボーンになっていることは想像に難くない。幸か不幸か
現状では自民党以外政権を担える政党はいないので
周辺国を逆なでするような発言はくれぐれも控えて欲しいものである。

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