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2013年8月 9日 (金)

広島平和記念式典、安倍首相のあいさつを読んで

 8月6日、広島平和記念式典でに安倍首相が出席してあいさつをした。その中に核に触れた部分として次のことがある。

 「私たち日本人は、唯一の戦争被爆国民であります。そのような者として、我々には、確実に、核兵器のない世界を実現していく責務があります。その非道を、後の世に、また世界に伝え続ける務めがあります。」

 そして結びとして次のように述べている。「核兵器の惨禍が再現されることがないよう、非核三原則を堅持しつつ、核兵器の廃絶に、また、恒久平和の実現に、力をおしまぬことをお誓いします」

 私は安倍首相が上のように世界へ向けて発言したことを必ず守って欲しいと思った。なぜなら安倍首相が参議院選にも大勝してから、数をバックにやろうとしているのは、憲法を改定して、国防軍を設置することに向けて着々と準備を進めているからである。

 まず、現行憲法の解釈を改めることにより、集団自衛権を行使できるようにしようとしている。そのために内閣法制局長官を集団自衛権派に替えた。そして集団自衛権推進派で構成する安全保障の諮問会議を作り、形だけ第三者の意見を聞くと見せかけて、実際は「やらせ」で集団自衛権行使を正当化しようとしている。

 安倍首相は、あいさつの中で福島原発については全く触れていない。広島平和宣言が次のように述べているのとは大違いである。

 「この夏も、東日本では大震災や原発事故の影響に苦しみながら、故郷の再生に向けた懸命な努力が続いています。復興の困難を知る広島市民は被災者の皆さんの思いに寄り添い、応援し続けます。そして、日本政府が国民の暮らしと安全を最優先にした責任あるエネルギー政策を早期に構築し実行することを強く求めます。」

 私はこの言い方には奥歯に物が挟まったような、非常な物足りなさを感じるが、安倍首相のように無視するよりはましかなと思う。

 福島第一原発の事故は、原爆と同じ核の問題なのだ。核爆弾だけが危険なのではない。ヒロシマやナガサキの原爆の何百倍もの危険な核が事故を起こしたのである。

 しかも、日本には原爆を作るもとになるプルトニュウムがどんどんと蓄積されているのである。

 平和宣言では、「『絶対悪』である核兵器の廃絶と平和な世界の実現に向け力を尽くすことを誓う」と結んでいるが、「絶対悪」は「核」そのものなのだ。ドイツや北欧の国のように原発の廃止をすることが大事なのだ。

 安倍政権は、4月の核不拡散条約再検討準備委員会で、核兵器の非人道性を訴える声明に署名をしなかったことに見られるように、言葉とやっていることが矛盾しているのだ。

 さらに安倍首相は自ら原発の営業活動をして、インド、トルコ、ベトナムなどに売り込んでいる。

 私は非核三原則には、原発も加えるべきだと思う。一切の「核」は持たない、造らない、持ち込まないことが地球の安全と平和のために必須なのだ。

 今日は長崎に原爆が投下された8月9日である。世界に向けて徹底した核廃絶を宣言してほしいものだ。

 

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コメント

 福島原発事故でとうとう税金を使わなければならないところまできました。これから先どのくらい金が要るのか見当がつきません。核はきれいな核はないのですから地球上から無くすべきです。

福島原発の放射能汚染水が1日300トン海へ流れ出ていることを東電が認めたとの記事が新聞に掲載されたのは参議院選挙の翌日であった。しかもこの流出は事故直後からであることを否定できないとのこと。勿論、東電はこのことをずっと前から知っていたが、自民党政権に発表時期をお伺いしていたことは想像に難くない。もし選挙直前に「高濃度放射能汚染水、1日300トン海へ流出、有効な解決策が見当たらず深刻な事態に。」と新聞に大きく出たら、選挙結果に少なからず影響を与えたかもしれない。東電は被災者よりも完全に政府に顔を向けて仕事をしていることはより明白になった。これだけ巨大になった政権与党は、原発に限らず、あらゆる手を使って、一見民主的を装いながら情報操作を進めていくに違いない。これも国民が選択した道なのか?

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