NHKテレビ小説「あまちゃん」大フィーバーだが
NHKの連続テレビ小説「あまちゃん」が大フィーバーだという。今週の週刊朝日が取り上げてそう書いていた。確かに7月ごろから、週刊ポストが2回取り上げたし、週刊現代も扱った。赤旗日曜版まであまちゃんを評価していた。
このところ視聴率は21%~22%である。前篇ではだいたい17%~18%であったから、東京篇になって視聴率が上がり、それに週刊誌などのマスコミが話題としたので余計にアップしたのであろう。
私は、退職後朝の時間ができたので連続テレビ小説は毎回見ている。前回の「純と愛」のようなつまらないものもいくつかあった。
「あまちゃん」も始まった時は朝からドタバタの劇で、マンマミーヤ(なんてこった)と思って見ていた。いいのはテンポの良いテーマ音楽である。これは近来にないヒットだと思う。
夏ばっぱの宮本信子は演技は申し分がないが、漁村の人間にしてはインテリすぎるのが惜しい。まあ、泥臭さを要求しても無理だろうが。
天野春子役の小泉今日子は出色のできである。彼女の演技は初めてみたが昔のアイドルとは思えない。水口役の松田龍平は映画「舟を編む」で初めてみたが、あの無表情のような役柄がぴったりである。
ところで「あまちゃん」にはおかしなところがいっぱいある。夏ばっぱたちが経営する駅のスナック&バーにはいつも同じグループだけがたむろしている。あれで経営がなりたつのであろうかと心配である。
水口がスカウトに来て琥珀の勉さんにくっついていたのも変だ。アイドルになりたかったユイの父を突然倒れさせたのはいいとして、それをきっかけにユイをぐれさせたのもおかしい。また母親が突然家出したのも妙である。
春子が突然上京したと思うや、アキたちの練習場に現れていろいろと指導したり、レコーディングにまで乗り込んだのもあり得ない。
安部ちゃんがいつの間にか上野に来ていたり、種市先輩がいつのまにか寿司屋に雇われたり、ご都合主義もいいとこだ。
寿司屋といえば、鈴鹿ひろみがやけに気前がいいし、寿司屋でアキが高いウニをいっぱい食べるのも変だ。
アキが東京に来てもいつまでも岩手なまりで話すのも奇妙である。もともと東京育ちなのだから、東京に来ればすぐに東京弁に戻るものである。
前篇のことだが、猿時演じる高校教師が教師にはありそうもないキャラクターだったり、大吉の杉本のオーバーな演技もドタバタ喜劇だからこそであろう。
北三陸鉄道やアキら海女をめぐる前篇での何度かの大フィーバーぶりもあり得ないシーンであった。
また、北三陸の人たちが美寿寿や玉恵など惚れっぽく、あっけらかんとしているが、それも喜劇タッチだからであろう。
「あまちゃん」ヒットの元は、宮藤官九郎のこれまでにない、大胆でずっこけたところのあるドタバタ喜劇にあることは間違いない。庶民の日常生活から見たらおかしなところがいっぱいあるが、あえてそれを無視した構成が良かったのかも知れない。
前篇で岩手県の北限の海女の村を舞台にしたのがよかったし、東京編では、AKB48を思わせるアイドルグループの裏側をちらっと見せたのが受けている。
主役の天野アキを演じる能年玲奈はぴったしである。週刊誌で誰かが透明性があると評していたが、回を追うごとに演技がうまくなってきている。
彼女は最初水泳が全くできなかったそうだが、僅か3日で潜れるようになったというのだから凄い。
「あまちゃん」は能年玲奈も言っているように明るいのがよい。これからどこかであの東北大震災に遭う訳だが、それをどう乗り切って行くのかが注目される。
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コメント
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テレビドラマはNHKの朝の連続小説と日曜の大河ドラマだけぐらいです。半沢直樹は週刊朝日があまちゃんと比較していましたが、全く知りません。
投稿: らら | 2013年8月11日 (日) 12時03分
これだけテレビドラマの登場人物を的確に論評されるとは、評論家も恐れ入りましたというところですね。私はテレビドラマを殆ど見てませんが、このような視点で見ると色々な発見があり、面白いのではと思います。昔、知人が向田邦子のテレビドラマを
好んでみていると言っていたのを思い出します。彼はドラマでの会話のやり取りが実に面白いと言ってました。最近も半沢直樹というテレビドラマが話題になっているそうです。これとて、私にはそんなテレビドラマがあるのという認識です。多方面に好奇心や興味を示すのは頭と精神の活性化につながるとは思っているのですが、、、。
投稿: Toshi | 2013年8月11日 (日) 06時20分