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2013年8月10日 (土)

名古屋児童言語研究会第39回国語研究集会から

 名古屋児童言語研究会が主催する「第39回国語研究集会」が、5日ウイルあいちで開催された。

 教育を取り巻く情勢が年々厳しくなる中で頑張っている後輩たちの様子を見ようと出かけた。参加者は、福岡、神奈川など遠方から来た人もいてその熱意に頭が下がった。

 挨拶のあと加藤さんの基調報告があった。現場を離れて久しい私は今の現場がどうなっているのかには興味がある。

 新任教員の研修が強化され、最初の研修だけでなく、2週間ごとの研修もあるのだそうだ。教員には自己評価が課せられて、それをもとに校長が評価をするのだという。私のいた頃も勤務評定があったが校長が評価したものは教育委員会に提出されるが本人には知らされなかった。今はどうなっているのだろうか。

 また、教員には10年ごとの免許更新がありそれも大変だと言った。私は更新をしてないので免許がないのかと思ったら、私の頃の教員免許は更新が要らないというので安心した。

 学力一斉テストも問題が多いと話した。結局こうした教育への締め付けは、2006年の第1次安倍内閣の時から始まったのだという。教育基本法が改定され、道徳教育の強化が叫ばれた。さらに教育にも経済の市場原理主義が導入されて、競争を煽るようになった。

 道徳教育により、規範意識強化が重視され、児童生徒には決まりを守ることが強く指導されることとなった。

 例えば、挨拶、名札、靴箱の整頓などがある。挨拶運動が児童会で行われ、大きな声を出せた者の名前がヒーローとして集会で発表され、一週間のヒーローの中からスーパーヒーローが選ばれる。

 名札の点検を全校集会で行いクラスごとの成績を競うところもあるという。靴箱の点検では点検係を作って点検させているそうだ。

 名札といえば、児童目当ての犯罪が増えて、一時名札を付けないことが勧められたのだがまた復活したのであろうか。この場合は規範というより、管理を目的だと思われる。

 基調報告にもどる。国語科における問題点として次の4点を指摘していた。

 ①パターン化された話し方やマニュアル的な文章を書くことは比較的嫌がらずにできるが、思いや考え、感想や意見を求められるようなことは苦手である。

 ②人の意見を聞いて、自分の考えを深めたり、関わって発言しようとする姿勢、構えが乏しい。

 ③漢字練習のような反復や一問一答式で、あまり考えないでできるものは、それほど嫌がらない。

 ④聞く、話す、読む、書く、語彙力、読書量などは個人差が大きい。

 指導要領の改定で文学・説明文を読むことが削られた。物語の続きを書くとか、説明書を作るとか報告書をかくというような技術主義が重視されている。

 児童言語研究会では国語教育においては一貫した指導を貫いてきた。例えば文学では、読み手は登場人物の生き様から人間を理解し、その行動を評価し自分の生き方とつないでいく。優れた文学作品を読めば人間に対する認識を深め、生き方も変わるそういう授業を目指してやってきた。

 教室に集う子どもたちの意見から互いに学び合うことも人間認識を深め学級づくりにもつながっている。それが文学を読む楽しさであり、文学を文学として読むことにもつながる。

 この後、2年生(光村)にある本日の講師近藤睦美さんの「わたしはおねえさん」の実践を紹介した。

 基調報告の後、この日の講師石井睦美さんの「言葉の贈り物」と題する講演があった。

午後は分科会で、文学と説明文の実践発表があった。

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コメント

「国際社会で通用する人材を育てるには、自分で物を考え日本語は勿論のこと英語で堂々と発言する能力をしっかり鍛えるべきだと思います。」
 おっしゃる通りですね。

国語科における4つの問題点は児童に限らず、大学生に至るまで共通しているように思えます。パターン化されたものは教える方も教えやすいし、教わる方も答えがあるので覚えやすい。最近、テレビを見ていて勝利したスポーツ選手がインタビューを求められた時など、物おじせず、実に立派に受け答えするケースが多く、若い人達の言語能力は素晴らしいと思ったりします。しかしながらこうしたことは最もパターン化しやすく、ひょっとして彼らはインタービューに備えて訓練しているのかもしれなれません?パターン化やマニュアル思考を否定するものではありませんが、現実の世界はそれだけでは対処しきれないことが多いのです。国際社会で通用する人材を育てるには、自分で物を考え日本語は勿論のこと英語で堂々と発言する能力をしっかり鍛えるべきだと思います。

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