都議選自民完勝は43.5%の低投票率のおかげ
22日に行われた東京都都議選は、ふたを開けてみれば自民党と公明党の全員当選という国政与党の完勝であった。
民主党は15議席と大きく議席を減らした。維新の会も2議席と振るわなかったがこれにはホッと安堵した。
都議選で自民党が完勝できたのは、43.5%とという低い投票率に助けられたのだ。56.5%もの人が投票に行かなかったのである。何とも情けない政治意識の低さである。それはとりもなおさず自民党に対抗する民主党が没落してどこに投票したらよいのか分からなくなった人たちがたくさんいたということであろう。
自分が投票に行かなくてもどうせ自民党が勝つから・・・・ということで、投票に行く煩わしさを優先したのだと思う。棄権は勝ち馬に乗るのと同じであるということの意味を考えて欲しかった。
都議選は参議院選と異なり、国政には直接的な関係はないから憲法改悪やTPP推進や原発推進や消費税値上げなどには関与しない。
しかし、都議選の結果は、7月の参議院選挙で、与党の自民党と公明党の勝利を予想させるものであった。
もし参議院選挙でも同じ結果が出るなら、憲法改悪、TPP、原発推進、消費税値上げ、設備投資減税などが一気に進められるであろう。はやくも今朝のモーニングサテライトでは参議院選挙後に衆目が集まっていると指摘した。与党の勝利を当然のこととしているのである。
そんな中で暗闇の中の1点の灯りは、野党の中で共産党が17議席を獲得したことである。みんなの党は7議席を獲得して躍進したが、維新の会と共に野党というよりも補完勢力である。他の野党がみな議席を得られなかった中でただ一つ議席を伸ばしたのだ。
もし野党が全滅していたら自民党はますます図にのってやりたい放題であろう。共産党は戦前から一貫して反戦平和を貫き数多の迫害をものともせず頑張ってきた。その揺らぎの無さは見事である。
憲法改悪、原発推進、TPP推進、消費税値上げ、大企業だけ潤うアベノミクスなど、日本の未来に暗雲が垂れ込める中で、そうした動きを阻止する野党が無い現状で共産党に期待する票が集まったに違いない。
民主党の凋落は、サッカーでいえば、オウンゴールの連続で負けたようなものである。折角政権をとりながら、国民の期待を裏切って、完全にそっぽを向かれてしまったのだ。
自民党は4年前にその悲哀を味わったはずだが、圧勝したことでそれを忘れてしまったようである。しかし、驕ってやりたい放題にするならばまた次の選挙で痛い目に遭うかもしれないのだ。民主党の敗北を夢他人事と思うべきではない。
そのことを心して、せめて憲法改悪やTPP参加、原発推進はやらないでほしい。
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