おかしくないか?麻生財務相の言葉遣い―株乱高下は機械のおかげ
5月23日の東京株式市場の株価の大暴落をきっかけに、次の日も、その次の日も株価は乱高下を続けた。これらの一連の動きに関連して、麻生財務相は、28日の閣議後の記者会見で、次のように述べた。
「一日でこれだけ乱高下するのは機械のおかげ」と。
高速の株の売買注文を自動的に繰り返す手法が乱高下の原因だとの見方を示した。(朝日新聞28日夕刊)
この記事を読んだとき、「機械のおかげ?」はおかしくないかと思った。普通、日本語では”おかげ”というとき、何か良いことがあった場合の使う。
伊勢におかげ横丁というのがあり大変賑わっている。このおかげ横丁のおかげはいうまでもなくお伊勢さん(伊勢神宮)の御利益を指す。
「彼のアドバイスのおかげでよい就職口が見つかった」「この新型機械のおかげで不良品が出なくなった」「新幹線のおかげで速く東京に着く」・・・など、いつでもよいことがある場合に使われる。「おかげ」の代わりに「せい」を入れてみるとおかしいことがよく分かる。
これが悪いことであれば、「せい」を使う。「人のせいにするな」「古い器械のせいで不良品が続出だ」「あいつのせいでこの縁談は破談だ」・・・。「お伊勢さんのせいで商売繁盛です」とは言わない。
これを麻生財務相の発言に当てはめると、「機械のおかげ」は、機械がよいことをしたから株価の乱高下が起きたということになる。もし、麻生大臣が「株価の乱高下は有難いことだ。おかげで安倍政権も安泰だ」と考えての発言なら全然おかしくない。
でも、そうとはとれないように思うのだ。本当は「機械のせいで株価が乱高下する」と言いたかったと思うのだ。
麻生氏と言えば、首相時代にもおかしな発言をして物議をかもしたことがあった。この程度の誤用なら政局に影響はないが、副総理・財務相たる者言葉遣いをきちんとしていただきたいものだ。
アベノミクスのおかげで株価が上昇してきたと言われていたが、ここに来てアベノミクスのせいで株価が大暴落する!(週刊ポストや週刊現代)と騒がれ出した。
橋下氏のように「朝日新聞の誤報のせいで・・・」などと言わないように、自分の発言には責任を持っていただきたいと思う。
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