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2013年4月 2日 (火)

2年後に物価4%上昇は困る

 3月31日の朝日新聞1面トップ記事は、「2年後物価4%上昇」であった。アベノミクスで安倍首相が打ち出した物価上昇目標2%、それに消費税の8%増税で物価は%もあがるというのである。

 物価上昇でデフレをインフレに転換するということで、安倍首相は日銀総裁に首相の意向に沿った黒田東彦氏を充てた。黒田総裁は、消費税増税と物価を2%上げることは別だと言って、2年後には必ず達成すると宣言した。

 デフレが続いて消費や企業に元気がないので、物価を上げて、企業が儲かるようにするのが狙いだという。

 日銀の試算では、消費税が10%になる4年後には物価は現在より10%近く上がることになるという。

 デフレで消費が低迷というが、本当にそうであろうか?私は年金生活だが、生活に必需の食糧や衣類はぎりぎり賄っている。年金はこの数年間で減少する一方だが何とか生活している。これはデフレのお蔭だ。

 この10年間で企業は人件費を削減し、平均給与は10%減ったと新聞は伝える。物価が上昇し企業が儲かれば、それなりに給与に反映して消費も上向くと期待されている。しかし、物価上昇に給料上昇が追いつくとは限らないのだ。

 この10年間で給料が減り続けたのに、企業は内部留保を積み上げているのだ。だから給料が上がる保証はどこにもないのである。

 正社員が1/3になり、非正規社員が増え雇用の不安定な状況が続き、貧困層が増えている。物価の上昇の打撃を真っ先に蒙るのはそうした低所得層、貧困層である。

 2年後、4年後の生活を想像しただけで、息ぐるしくなるのは私だけではあるまい。きっと若い人たちも希望が見えないに違いない。

 アベノミクスは、大企業や富裕層にだけ恩恵をもたらすのだ。日本はアメリカのように、ますます貧富の差が開いて行くであろう。

 

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コメント

2年後に物価4%上昇は困る: ららさんのつれづれ草

 インフレターゲットが以前にも言われたことがありましたが、反対されて引っ込んだことを思い出します。金をジャブジャブ出して人為的にインフレにするというのは納得がいきません。

元来、日銀は通貨の安定を最大の目標としている。従ってインフレには強い懸念を持っている。第一次世界大戦後のドイツのハイパーインフレの話しはあまりにも有名である。コーヒー一杯飲むのにトランクいっぱいの紙幣が必要だったとか、紙幣は額面価格でなく重さで取引されたとか、信じられないような事態が起こったと言われている。2%のインフレターゲットに強く抵抗を示した白川前日銀総裁は事実上の更迭?とも受け取れる。時代背景が昔と今では全く違うので、インフレに過度に過敏になる必要はないかも知れない。でも程良い適度なインフレに収まる保証はどこにもないのである。

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