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2013年3月24日 (日)

アメリカのイラク侵攻から10年

 3月20日は、アメリカのイラク侵攻から10年めであった。イラクに大量破壊兵器(WMD)が隠されているという理由で、ブッシュ大統領はイラクに攻撃を加えたのだ。当時、イラクのフセイン大統領は国内の査察を許し、宮殿内までも見せて大量破壊兵器がないと主張した。

 それに対してブッシュは、イラクには大量破壊兵器があるという証拠があると言って、フランス、ドイツ、カナダの反対を押し切ってイギリスと共にイラクに攻め込んだのであった。当時の小泉首相は、何の情報も持たなかったにも関らずブッシュ支持を打ち出した。

 その点について当時の官房長官であった福田康夫氏は、「イラクの大量破壊兵器について何らの情報もなく、手も足も出ない状態であった」と回顧した。(朝日新聞20日朝刊)

 そして、小泉首相の判断が「日本のプレゼンスを高め、ブッシュとの関係強化の決定打となった」と述べている。

 何とも恐ろしいことである。何も証拠がないのに、他国に言いがかりをつけて侵略して、イラクという、フセイン大統領の下でそれなりに幸せに暮らしていた国を破壊したのだ。

 イラク侵攻に関しては、当時のパウエル米国国務長官は、後に「誤りであった」と率直に認めた。ブッシュさえ「大量破壊兵器所有はガセネタであった」と認めざるをえなかった。

 1つの国が、言いがかりをつけて、他国を侵略するという構図は、ヤクザやマフィアの常套手段とおなじである。大人の社会や子ども社会のいじめにもよく見られる。しかし、一つの独立国を言いがかりで破滅させるというのは、国際社会では決してあってはならないことである。

 言いがかりでやるのなら、仮に、中国が尖閣列島問題を理由に、日本に侵略して来ても成り立つことになる。

 情けないと思ったのは、21日の「天声人語」である。「リーダーは心して選びたい。イラク戦争から10年の節目に思うのは、一国の指導者の覚悟と責任だ。米軍4487人、イラクの民間人12万人。どちらかの大統領が別人ならば、消えずに済んだかもしれない命である」と書いている。

 どちらかの大統領とはどういうこと?決定的に悪いのはアメリカのブッシュ大統領ではないか。フセイン大統領は何も悪くはない。彼は不運にも死刑にされてしまったのだ。

 それだけでなく、今もなおイラクは政情不安でテロ行為も頻発し、国民は生活にあえいでいる。アメリカはイラク戦争により巨額の赤字を抱えることになった。イラク戦争関係での将来にわたる支出は6兆ドルを超すと試算されている。しかし、これは自業自得というものである。

 私たち心ある者は、イラク開戦に反対して、何度も市民集会やデモを繰り返した。久屋公園や白川公園に集まり、メーンストリートを歩き、平和と戦争反対を訴えたが無力に終わった。

 しかし、その行為が正しかったことが証明された。思えばベトナム戦争の時もそうであった。アメリカは共産主義の広がりを防ぐという名目でベトナム戦争を起こしたが、米軍だけで6万人近くの犠牲を出して敗北した。歴史はベトナム戦争が間違っていたことを証明した。

 当時、あるアメリカの新聞は、「図書館などで調べればベトナム戦争が誤りであることは分かったはずなのに、そうしたことをせず、頭から正義の戦争だと信じた。」と書いた。まだインターネットがない時代であった。

 イラク戦争のときは、世界中でインターネットで呼びかけられ、戦争反対の集会が行われた。それでもイラク戦争が強行されたのであった。

 今また、日本では安倍首相や橋下氏や石原氏などが戦争への道を開こうとしている。その危険性をよく考えて、平和憲法を守る人々が増えて欲しい。後で気がついたのでは遅いのである。

 その点でマスコミにも、正しく世論を導いて欲しいと願うのだ。

 

 

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戦争と平和」カテゴリの記事

コメント

 その通りですが、憲法の平和主義はスイスの永世中立のように大事な自国防衛だと思うのです。

投稿: らら | 2013年3月24日 (日) 12時23分

アメリカは自分たちの価値観を絶対的な正義だと信じ、それを他国に押しつけようとする過ちを性懲りもなく続けている。しかも世界最強の軍事力を持っているので始末が悪いのである。北朝鮮はイラクやリビヤが崩壊させられたのは核を持っていなかったのだと判断し、他国が何と言おうと自国体制維持のため核開発はやめないと言われている。自民党政権は好むと好まざるにかかわらず日米同盟の強化が緊張関係にある周辺国の脅威から日本を守る現実的な対応策と位置付けている。TPPの参加もこの流れの一環である。自国の防衛をアメリカに大きく依存限り、対米追随路線は続かざるを得ないのである。

投稿: Toshi | 2013年3月24日 (日) 08時53分

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