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2013年1月15日 (火)

桜ノ宮高校ラグビー部顧問の体罰事件

 つい最近まで、テレビも新聞も大阪市立桜ノ宮高校バスケット部の顧問の体罰について連日報道をしていた。それほど大きな衝撃があったということであろう。

 同高校では、事件後アンケート調査をしたにもかかわらず、すぐにはその集計をせず、校長もかばうようなあいまいな発言を繰り返していた。マスコミの報道に押されてか校長の発言や教育委員会の態度も変わって行った。

 12日の朝日新聞によると、顧問は教育委員会の聞き取りに対し、「強いクラブにするには体罰は必要」「叩くことでよい方向に向かう生徒もいる」と話したという。

 桜ノ宮高校では、バレー部の顧問も体罰をして処分されていたが、懲りずに再び体罰を繰り返している。その顧問も「体罰で生徒が良い方向に向かう実感があったため」と説明しているそうだ。

 学校教育法では体罰は禁止されていて、ずっと以前から体罰問題は繰り返し議論されてきた。多くの場合は荒れる学校での生徒の生活指導の場で体罰がおこなわれたのであった。

 体罰は理由の如何を問わずやってはいけないというのが共通理解のはずである。それなのに部活動で強くするためには体罰が必要として行われ、周囲もそれを黙認してきたことが理解できない。

 同じ日の朝日新聞で、桑田真澄さんが、体罰は「もっとも恥ずべき卑怯な行為」と断じている。彼は、体罰は「絶対に仕返しをされない」という上下関係の構図で起きると言っている。その通りである。

 また「殴ってうまくなるなら誰でもプロ選手になれる」と言っている。単純に言えばそういうことになる。「指導者が怠けているからだ」とも言っているが、私は自分の指導能力の不十分さを体罰で補おうとしているのだと考える。

 かつて星野中日監督は金や物を選手の目の前にぶら下げてやる気を出させたと言われたことがあった。そのやり方もよいとはいえないが、暴力に訴えるよりは被害がないだけましだ。

 今回の事件は、不幸にも前途有為な生徒を自殺に追い込んでしまった。本当に残念なことである。2009年に桑田氏が大学院論文を書くためにプロ野球選手と東京六大学の野球部員にアンケートをして調べたそうだ。

 指導者から体罰を受けたが、中学で45%、高校で46%、先輩から体罰を受けたは、中学で36%、高校で51%で、意外に少ないと感じたという。

 文部科学省もやっと調査を始めるようだが厳密に調べてもらいたいと思う。そして2度とこのような不幸なことが起きないようにしてもらいたい。

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コメント

 終戦直後、軍隊帰りの若い教師で小学校に「鉄拳制裁」というので恐れられた先生がいました。私も一度立たされてビクついたことを今でも覚えています。

体罰と言えば昭和30年頃の私の体験ですが、小学校の先生に教室の外に立っていらっしゃい!と叱られて外に立ち、子供心にも恥ずかしいと思ったことはありましたが・・・そのような軽い体罰とまではいきませんが、恥ずかしい思いをしたということは今の年になってもはっきり思い出されます。心の奥深くまで残る思い出となります。

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