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2012年12月29日 (土)

強運の安倍首相、不運の国民

 安倍首相は今回で2回目の登板である。戦後首相を2度務めたのは吉田茂氏だけで、それ以来の記録となった。

 前回50歳という若さで首相になりながら1年もせずに放り投げてしまった。体調を崩したとはいえ無責任なものであった。それがまた立候補して自民党総裁となり、今回の自民党大勝で総理大臣に復帰した。これほどの強運の人は他にいようか。

 彼が尊敬する同郷の吉田松陰は明治維新を見ずに獄死した。悲運と言えばこれほどの悲運もない。あの坂本竜馬も明治維新直前に殺されてしまった。もし、生きていれば明治政府で首相になったかもしれないのだ。

 政治家は誰でも首相になりたいと思うであろう。特に派閥やグループの長となるような人は首相になりたいはずだ。小沢一郎氏は首相の座が目の前に来ながらつまづいてしまった。運がなかったのだ。

 安倍首相の父親の晋太郎氏はもう少しのところで首相になれなかった。やはり悲運の人と言える。しかし、その息子は強運の持ち主なのだ。

 国の場合、トップが誰になるかで国民の運が左右される。同じ民族でもかつての東ドイツと西ドイツでは大変な違いがあったし、現在でも朝鮮半島では南北に分断されて韓国と北朝鮮では国民の生活は大変な違いがある。

 出生のときからその運がきまってしまうのだ。私は大日本帝国憲法のもとに生まれ、戦争を経験したが、幸い行きのびて敗戦となり、戦争放棄の平和憲法にかわった。それで徴兵されることはなく平和な日本で暮らしてこられたのは運が良かったということになる。

 しかし、今度の選挙で強運の安倍首相になり、多くの国民は不運だと感じているに違いない。もちろん安倍首相になり運が良いと思っている人は半数近くいるかもしれない。でも、私は不運であったの思うのだ。

 それは長い目で見ると、彼がやろうと目論んでいる憲法改悪、国防軍への改編、海外派兵などを恐れるからだ。さらに早くも明らかになった原発推進、TPPへの参加、そして、デフレ脱却を叫ぶアベノミックスだがこれも失敗すれば借金が増えるだけで大変なことになるという。危険な賭けをするということだ。

 今日の大納会まで株は10300円台まで上がり、円は86円台まで下げたが来年はどうなるのか予測もつかない。

 公共事業には以前の自民党と同じばら撒き政策をとるという。歓迎するのはそれで潤う関連業界だけだ。自立自助を叫ぶのはかつての小泉元首相と同じだ。あの時正社員が激減し、アルバイト、フリーター、派遣社員などが激増し、ホームレスも3万人以上になり、自殺者も3万人以上になったことを思い出そう。

 

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コメント

 自立、自助というのは聞こえはいいですが、弱者に配慮しない冷たい政治です。小泉時代を思い出すことが大事です。

今回の総選挙で国民が自民党に圧倒的支持を与えたのではなく、民主党が自滅したのだというのは当の
安倍総理自身も認めている。44%との得票率で78%の議席数なのである。これでは民意が正しく反映されたとはとてもいえない。従って、参議院で実質的な勝利を収めるまでは、タカ派的な政策はひとまず棚上げにして、景気回復を国民に実感してもらうために、遮二無二に景気浮揚策を実施すると思われる。確かに数字上の景気指標は上向くかもしれない。ただ、富める者が益々冨み、弱者は景気回復の実感が感じられないどころか、インフレの高進でむしろ、実質賃金は目減りすることも大いにありうるのである。マスコミはこぞって新政権へのご祝儀報道に終始しているが、弱者の目線に立って、厳しく新政権の政策を論評して欲しい。

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