「大便通」という本を読んで―①―
たまたまある書店で本を探していたら目的の本はなくて、「大便通」(幻冬舎新書)が目に留まった。手に取ってみると、面白そうなので買ってきた。
私は若い頃にも「大便」についての新書を買ったことがある。内容は忘れてしまったが、その本には沈む便がよいと書いてあった。ところが浮く便が良いということをどこかで見た。最近は変わって来たのかと思った。
私は以前にも書いたが、1日に何回もトイレに行く。起き抜けに1回、ブランチの後に1回、午後に1回、時には夕方に1回・・・という具合である。したがって便の量も多い。鳥は飛びながら糞をするが、それは身を軽くするためだと聞いたことがある。さしずめ私は鳥の仲間であろうか。
便が多いということは体の中に不要なものを溜めておかないのだからいいことだと思っている。胃のレントゲンを撮るためにバリウムを飲んだとき、下剤をくれるが私は下剤など飲まなくても出てくる。
そういう訳で大便について現在はどこまで分かっているのかを知りたくて「大便通」という本を買ったのだ。
著者は、これまた冗談かと思うような名前である。ペンネームかと思ったら本名であると本の中に書いてあった。辨野義巳という理化学研究所辨野特別研究室特別招聘研究員で、専門領域は「腸内環境学、微生物分類学」である。「うんち博士」としてテレビや新聞でも有名らしいが私は知らなかった。「便のよしみ」なんてぴったしの名前である。
辨野さんは自称世界で最も多く便を集めて調べたと言っている。世界中から6000人以上の便をあつめて調べてきたのだそうだ。
「便には大変貴重な情報が詰まっています。私たちの健康状態を知らせてくれる、体内からの『お便り』のようなものです。それを見たくない、考えたくないと無視するのは、自分自身の健康状態から目を背けるのと同じことです。大便には私たちが健康で幸福な生活を送るため、想像以上のヒントが隠れているのです。」(P.11)と書いている。だから水で流す前に「色」「臭い」をチェックするようにと言っている。
大便は単なる食べかすではないという。大便の重量の80%は水だという。食べかすは固形部分の1/3程度、つまり7~8%に過ぎないのだ。その他に同程度の「腸粘膜がはがれたもの」も含まれている。では、それ以外の1/3の残りのものは何かというと、「腸内細菌」なのだそうだ。辨野さんはそれを研究対象にしているのだ。
私たちの大腸の中だけでも1~1.5kgもの細菌がいてその一部が便として出てくるのだそうだ。大便1g中には、6000億から1兆もの細菌が含まれているという。しかも、その種類たるや1000以上もあるのだそうだ。
腸内環境がどんな細菌で構成されているかは、人それぞれに異なり、同じ人でも食べ物、体調で変わって来るから同じものは一つもないのだ。大便は「個人情報の塊」だという。
「大便という『お便り』が私たちに伝えようとしているメッセージをきちんと理解しようと思ったら、、腸内細菌という『文字』を読み取らなければなりません。」(P.17)
※さまざまある大腸菌の一つ
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