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2012年12月 2日 (日)

湯灌師・納棺師中村典子さんの講演を聞く

 11月29日に名古屋市女性会館の人権週間公開講座で女性湯灌師・納棺師の中村典子さんの講演があった。

 インターネットで調べると、大研修室で先着100名ということであった。開場は9:30とあった。それで早めに出かけた。9:15分ごろに女性会館に着くと意外にも7番目であった。その上会場が350名収容できるホールに変更されていた。こんなことなら何も早く来ることはなかったと思った。

 9時25分に番号順に並び、30分に中に入れた。それから10時の開演までに絶えることなく人が入って来た。開演真近でも人が続いた。結局350名の会場は満員となったようであった。もし、当初の通り100名であったら250名は入れなかったことになる。その意味では会場を変更したことはよかった。

 講師の中村典子さんは、岡崎市にある株式会社エンゼルサービスの代表取締役で、これまでに数千体の湯灌・納棺を取り扱ってきたということである。1日に3件から4件、多いときには6件も7件も扱うことがあるという。

 だが、開業当初の2年間は殆ど仕事がなかったという。それでチラシや名刺を配ったり、blogを書いたり、岡崎のタウン誌に投稿したりして開拓に努めたそうだ。そして葬儀屋がやらない遺体が入るようになったという。今は葬儀屋と連携して葬儀屋から仕事が入るのだそうだ。

  中村さんが湯灌師をやろうと思ったのは、あるとき広告のチラシにあった湯灌の儀という文字に目が留まったことだという。それまで会計事務所の事務員として働いて子育てをしていたのだが、興味を抱いてやってみようと思ったのだそうだ。インターネットなどでいろいろと研修をさせてくれるところを探したが断られたという。その中でただ一つ大阪の会社が熱心さにほだされて研修を受け入れてくれたそうだ。

 そこでみっちりと起業を前提とした研修を受け、起業することにしたのだ。起業するにしても貯金は使い果たし、資金がなかったが、起業支援の資金を得て起業で来た。湯灌をするには湯灌車がいるがそれは豊田の知り合いの業者に頼んで安く作ってもらうことができたという。

 こうしてやって来られたのは、人の助けがあったからだという。

 遺体をきれいにするには、湯灌と清拭がある。湯灌や清拭は結果としては同じだという。湯灌はお風呂に入れることで中村さんの場合は遺族の希望を聞いて入浴剤を使っているという。自宅やホールなどでお湯に入れてシャンプーも含めてきれいにしてあげるのだそうだ。もちろん髭も剃る。湯灌をするとさっぱりとした気分になる。しかし、化粧をしてきちんとしてしまえば清拭でも見た目は同じになるそうだ。

 湯灌は5万円から、清拭は3万ぐらいからだそうだが、葬儀屋が中に入るので葬儀屋によって異なるという。 そのあと、遺族が希望する着物を着せるのだが、最近は白装束ではなく、故人が好んだものを着せる傾向にあるという。女性は和服、男性はスーツ、中には柔道着などやユニフォームなどもあるそうだ。

 昔は、湯灌をする人は酒を飲んで酔っ払ってやった。水に湯を入れるというやり方であった。使った水は竹藪に捨てたのだそうだ。

 湯灌師・納棺師にはライセンスはないという。それは死体は物扱いだからだそうだ。積むときも貨物車なのだそうだ。

 湯灌師・納棺師が世間の注目を浴びるようになったのは、映画の「おくり人」の影響が大きいという。あれ以来世間の見る目が変わったという。

 湯灌師を迎える遺族の態度は興味津々であるという。中村さんの場合遺族も一緒に手伝てもらってやっているそうだ。故人や遺族に寄り添って仕事をするように努めているという。人として主人公として最後の姿をきれいにしてあげるようにしている。

 高齢で亡くなった人はみなきれいな顔をしているそうだ。亡くなった時重力の関係で血や液体は下に向かうので、俯きになっていると顔などが真っ黒になるという。だから亡くなったら上向きにすることが大事である。

 死後硬直は、20時間から30時間ぐらいがピークでその後柔らかくなり、60時間から70時間ぐらいでもとに戻るという。でも、死後硬直は筋肉が硬直するのであって骨を折るようなことはないという。一度動かすと後は動かしやすくなるそうだ。

 死後1週間もすると内臓が腐りうじが湧くという。腐るのは内臓からで緑色になる。ガスが溜まり鼻の穴や場合によっては毛穴からもガスと共に血が出てくるという。風呂で亡くなるとガスができ悲惨な姿になるという。

 中村さんは、孤独死をして腐った死体や自殺などの死体も扱うそうだ。そういう遺体も死に化粧をして何とかしてきれいにしてあげるそうだ。遺体を扱うことに汚いと思ったことはないそうだ。素手でやる場合が多いという。本当は感染を避けるためにビニール手袋を使うべきなのだが。

 湯灌とか清拭に要する時間は1時間ぐらいだそうだ。その間汗だくの仕事だという。そのしごとの間にその家庭の事情が見えてくるという。お金があっても世間体とか遺産問題などに気が行っている家庭、金がなくても労りあい、助け合う家庭などを見るという。貧しい人は人の痛みが分かり、湯灌なども一緒にやってくれるという。

 中村さんは、この仕事をやりたくてやっている。人に喜んでもらえ、やりがいのある仕事だという。70歳まではやりたいと言っていた。

 また、この仕事は嫌だと言っていた御嬢さんも今では一緒にやっていて、想像していたのとは違う仕事だと言っているという。どちらかというと介護に近い仕事だと言っているそうだ。

 中村さんは「死に様は生き様である。だからいい死に様を迎えられるように生きている」と話していた。

こうした仕事は外国にもあるのかどうか知りたかったが調べても分からない。ただ、あるblogに多くの外国にはない仕事と書いてあったとから日本など限られた国なのかも知れない。とすると、日本らしい誇るべき仕事だと思った。

 

 

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コメント

はじめまして、共感する部分が多くコメントさせていただきました。
湯灌作業員に転職して4ヶ月たちました。
一日に3件ほどご自宅か葬儀場に伺って湯灌、洗体なしのお着替えお化粧をさせて頂いています。
様々な家庭がありますが、喪家の方曰く湯灌をすることで気持ちをリセットできるみたいです。
お風呂にいれてあげたかったな、お正月に着るために拵えた着物を着せてあげたい、ご生前の元気な顔に戻ったなど最後にしてあげられる思いやりを毎日ひしひしと感じています。
生活保護の方は行政との関係で難しいこともありますが、この仕事はデリケートだけど故人、遺された人に対して心のサービスを提供できる素敵なお仕事だと思います。
今はほとんどの家庭が依頼されています。

 外国ではどうなっているのか知りたかったのですが分かりませんでした。湯灌師・納棺師の存在で遺体が大事にされることはよいことだと思います。

最近、死は忌むべきものという旧来の考え方から、100%避けられないものだから真摯に向き合おうという動きが出てきました。何といってもアカデミー外国語映画賞を受賞した「おくりびと」の影響が大きかったと思います。また、自宅で最期を看取ろうという動きもその流れかもしれません。このようなテーマの講演に大勢の聴衆が集まったのも納得です。ハワイのパールハーバーで撃沈された戦艦アリゾナの中には今でも1000人を超える水兵が眠っていると聞いて驚いたことがあります。キリスト教では
死体は魂が抜けた抜け殻で、死んだ時点から死体に
対する特別な思いはなく、極論するとモノ扱いになるそうです。遺体をこれだけ手厚く慈しんで葬るのは如何にも日本的だと感じいった次第です。

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