許せない復興予算の流用!!
友人が送ってきたTABIBITOというblogの記事です。
東日本大震災の復興予算が被災地再建とまったく無関係な事業に使われていることが大きな問題となる中、引き続き、とんでもないことが次々と明らかになっている。
「日経」10月19日付「復興予算 国内立地補助金、被災地外が9割超」
19日の参院行政監視委員会で、東日本大震災の復興予算の使い道に関して、「被災地以外への配分が多い」と批判のあった経済産業省所轄の「国内立地推進事業補助金」に関し、枝野幸男経産相が、「被災地向けの配分額が全体のわずか6%程度」であることをあきらかにした。
国内立地補助金は、円高による産業空洞化を帽子するための措置で、国内の工場などを立地した企業に一定の条件で補助金を配分する仕組み。
「復興」と名のついた予算から拠出されるのに、その対象の9割が被災地以外であったというのだから驚く。
しかも、2950億円にものぼる補助金の交付先となっているのは、トヨタ、キャノンなど、パナソニック、日立、デンソー、シャープ、リコーなど、名だたる大企業がそのうちの8割を占めるというのだから、さらに驚きだ。
トヨタが被災地と遠く離れた愛知県でのエコカー製造で補助金を受け、キャノンも神奈川県や大分県で補助金を使うなど、被災地と何の関係があるのか。
中には、被災地の工場などを撤退・リストラした企業も入っているのだから、開いた口がふさがらない。
さらに一方で。
「東京新聞」10月29日付「震災復興予算 原発輸出調査にも流用」
これもショッキングだ。
2011年度補正予算に盛り込まれた復興予算のうち、5億円が、経産省がベトナムへの原発輸出に関する調査事業費として支出していたことが「東京新聞」の取材でわかったというもの。
この調査は、経産省が上下水道や鉄道、リサイクル技術などのインフラ技術の海外輸出を促すため、民間企業に現地調査を委託する「インフラ・システム輸出促調査等委託事業」の一環だという。同調査等委託事業費は、11年度予算で約6億円だったものが、大三次補正予算で「東日本大震災の復旧・復興につながる貿易投資の促進に必要」という名目で、約85億円に追加計上された。
同事業からは、ベトナムの原発以外に、世界各国のインフラの調査費などが計上されているという。
経産省資源エネルギー庁の原子力政策課は「インフラの海外輸出を進めることが、被災地の関係企業に経済効果をもたらす」と強調しているらしいが、あまりに無理がある。「風が吹けば桶屋が儲かる」という諺通りのひどいこじつけだ。
「東京新聞」の記事の最後に、福島第一原発事故の避難者帰還支援に取り組む福島大教授(財政学)の清水修二さんが次のように語っている。
「原発事故で避難した住民にとって許せない行為。原発の海外輸出の是非は、国内の原発政策と一体の論議が必要。輸出だけ強行する姿勢からは、政府が国内の原発産業の生き残りを図ろうとする思惑が透けて見える」
政府と官僚たちは、やっていいことと、絶対にやってはならないことの区別がつかないのだろうか。それとも、これまでも同じことをさんざんやってきているせいで、感覚が麻痺しているのだろうか。あるいは集団で思考が停止してしまっているのか。
被災地の生活と営業を再建するためにある復興予算については、被災三県を度外視した、とんでもないところに「震災復興」を口実にして莫大な金をつぎ込むために「仕事」をしているのだ。
いまなお、被災地では、震災瓦礫が延々と山積みとなって地区もあれば、一部では、電気などライフラインが復帰していないところさえある。福島原発の事故によって8万人が避難生活を送り、帰れる見通しもたたない人たちもいる。賠償問題も決着がつかない。
元の暮らしをなんとか取り戻そうと、仕事の再建や就職口を捜そうにも、目途がたたない人がどれだけいることか。それなのに、政府や官僚たちは、被災地のためにやるべきことをしっかりやらずに、やらなくていいことばかりをやっている。しかも「絶対に」やってはいけないことまでもだ。
まさに、そうした「仕事」をした政府や官僚たちは「有害」でしかない。そんな有害な政府や官僚はいらないし、そんな法律や予算を国会で通す国会議員もやめてもらうしかない。
毎日のように、メディアが「石原新党」だとか、「維新・みんながいっしょになれ」だの、大騒ぎしているが、そんなのはどうでもいいことだ。国民の暮らしを守るために汗を流す気があるのか、遅れている震災復興に本気なのかどうか、沖縄を解決する気概があるのか、そのことこそ国会議員となる者に試されるのではないだろうか。
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コメント
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河野さんの発言はいいところをついていました。自民党では良識派ですね。政治の混とんの中で官僚たちがやりたい放題にない金を使っているので腹が立ちます。民主党も全くダメでしたね。
投稿: らら | 2012年11月 2日 (金) 10時48分
先週のサンデーモーニングで河野洋平氏が石原元都知事のことを「彼は自分と意見の違う相手を平気でバカ呼ばわりしたり、相手の気持ちを慮らない尊大な態度は人格的に重大な欠陥があると思わざるを得ない」と酷評していたが同感である。人格は別として彼の歯に衣着せない反中国、抗米?の言辞に溜飲
下げる人も多い。今後、彼の知名度、集票能力を期待して既存政党の離党議員が集まるかもしれない。こうなると政治理念、政策は関係なく、当選だけが目的と思わざるを得ない。第三極も節操のない烏合の集団になりそうだ。政治は哲学者、梅原 猛氏も言うように必要悪と思えてくる昨今である。
投稿: Toshi | 2012年11月 2日 (金) 08時31分