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2012年10月25日 (木)

レクチャー「日本酒とワインの比較」を聞く―④―

 参考資料をもとに続きを書く。

 「麹」についてである。麹とは、麹菌というカビを蒸した米に人工的に繁殖させたものである。このカビは「酵素」のかたまりである。カビと聞くと、例えば正月に残った餅を放置してカビさせることがある。青や赤のカビが生えた餅を水に入れて置いてぜんざいなどにしたものである。蜜柑もよくカビるがこれは食べられない。

 だからカビと聞くと嫌なイメージが湧くが、酒を造る「麹」は極めて有用なものなのだ。それなくして酒は造れないのだから。

 「酵素」とは何か。人間は生まれながらに3000種以上の酵素をもっているそうだ。唾液に含まれる消化酵素は誰でも知っている。食物をかみ砕いたとき混ざって体内に吸収しやすくなるのだ。

 では、日本酒の麹菌から作られた酵素は次の二つが主なものである。

①米を溶かす液化酵素

②できたデンプンをブドウ糖に変える糖化酵素

 米を溶かす酵素の力が強ければ、よく溶けて、味のボリュームが上がるという。デンプンをブドウ糖に変える酵素が弱いと酒がうまくできないという。そこで「どういう日本酒にしたいか」という設計図のもとに、酵素のバランス、ちから加減を設計して造るのだ。

 麹の造り方は

①精米する

②米洗って水を吸わせて蒸す

③蒸した米を「室」(むろ)に入れ、温度と湿度をコントロールする。室温は30度。そこで麹菌を蒸した米に定着させる。

④最初の24時間は、そのまま保温保湿で過ごさせる。24時間後米の温度は36度ぐらいになる。

⑤最終的に約30時間かけて43度を目指すという。

 このようにして麹を造るのだが、菌を定着させてから、かける時間によって造られる酵素の比率が違ってくるのだそうだ。それによって質、量の違いができ、味や香りが異なってくるのだという。酒造会社によって違いが出るのはそのためである。

 日本酒には、「酒造好適米」が認定されているし、同じ米を使っても精米歩合が異なる。それで品種、精米歩合によっても麹の中身に違いが出る。

 日本伝統食品の祖、麹は遣唐使が持ち帰ったと思われるという。700年ごろの書物に麹が現れるという。「糖」は米偏に唐で表す。

 ところで、中国の麹と日本の麹は似て非なるものだという。日本に伝わってから、日本の民族性、気候風土が加味されて変化し、進化を遂げたものだ。

 中国の麹は米を洗わずそのまま麹へ誘導するが、日本では、米を磨き、洗い、蒸す。そこに大きな違いがある。

  萬乗酒造 http://kuheiji.co.jp/index.html

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