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2012年10月22日 (月)

レクチャー、「日本酒とワインの比較」を聞く―①―

 日本酒とワインを比較し、共通点と相違点についてのレクチャーを聞いた。主催は、アリアンス・フランセーズ愛知フランス協会であった。

 この協会の館長がまだ日本に来たばかりで、日本語を学習したいというので、愛知国際プラザの日本語教室の学習者となり、たまたま私が担当したのだ。

 彼が21日に「日本酒、日本固有の酒」というテーマでレクチャーがあるからよかったら来ないかというので出かけた。

 講師は、名古屋大学の准教授で、まだ若いニコラス・ボメールというフランス人であった。彼は、博士論文で日本酒を取り上げたのだという。この分野における日本酒に最もよく通じたフランス人だといえよう。

 彼が日本酒と出会ったのは、2002年に会津であったそうだ。日本酒に魅せられてワインとの比較研究をすることにしたのだ。ヨーロッパでは酒の製造方法を知らないので、日本酒はアルコールが強いと思われているそうだ。

 安土桃山時代に日本に来たフランシスコ・ザビエルは、日本には葡萄がないので米のワインを飲むと記しているそうだ。酒を米のワインと定義し、飲み方はワインと同じであると書いている。また、ワインのかわりにミサで使ったこともあるという。

 ワインも日本酒も宗教と関わりがあり、普及に連れて文化となった。ワインはメソポタミヤに起源をもち、ギリシャではディオニソス、ギリシャ語のシンポジウムは饗宴を意味し、ワインが使われた。ローマではバッカスと変わったが、豊穣、生殖などを象徴した。ローマ時代には全地中海へ広がった。

 イエスキリストは、カナの奇跡で水をワインに変えた。また最後の晩餐ではワインが使われている。ワインはキリストの血でありキリスト教とは切り離せないものである。修道院では葡萄畑があり葡萄が栽培されている。

 やがてヨーロッパ中に広がった。そして今やワインは世界規模に広がっている。

 日本酒は、もともとは中国の揚子江あたりから作り方が伝わったものである。神道と結びつき神々へ奉納された。

 稲作が行われる日本では、米を原料に酒が造られたが、水、米、発酵により奇跡の飲料として、神事、結婚式、祭り・・・・などで使われている。しかし、儀式だけでなく、喜びの飲料でもあるのだ。日本酒は日本の酒という意味である。日本だけで造られた。

 ヨーロッパでは斜面に葡萄畑が広がり、美しい風景となっているが、日本では稲田だけで地味である。

 ワインと酒は文化の中心にある。フランス人1人年に160リットルのワインを消費ししている。日本酒が最も多く造られたのは1930年ごろでアルコール飲料の80%を占めた。

 彼は質問に答えて、日本酒がワインのように普及していないのは、一つには麹を使って造ることであり、もう一つは、日本が世界に進出してまだ歴史が浅いことも関係していると言った。

                 ―つづく―

 

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コメント

 酒なくて なんでおのれが 桜かな という句がありますが、日本人、特に江戸っ子の酒の飲み方を端的に表しています。ワインというと何か教養が必要な感じがします。

若山牧水の有名な歌「白玉の歯にしみとおる秋の夜の酒は静かに飲むべかりけり」を共感しながらお酒を飲む好季節となりました。アルコール飲料の多様化でお酒業界は苦戦しているようです。先日もテレビで国内需要の落ち込みをカバーするために海外にもっとお酒をアピールしようとする業界の動きを取り上げていました。私の友人にワイン通がいてワインの蘊蓄を語らせれば止まらないという人物がいます。確かにワインを嗜むと言ったほうがスマートで
洗練されたイメージがあります。逆に酒が好きですと言うと、ひょっとしたら大酒のみ、あるいは酒癖が悪いのではとのマイナスイメージを持つ人もいます。日本酒もワインに負けないぐらい歴史と文化があるはずです。これからの話を期待しています。

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