中国政府とメディアは正しく伝えるべき―日本は安全な国だ―
中国に住む中国人友人はSKYPEで話すとき、尖閣列島問題でいつも「日本にいる中国人は大丈夫か?」とか、「戦争にならないか」と心配をして私に尋ねる。中国では日本は危険な国だとマスコミで報じているらしかった。
10月1日の朝日新聞を見てやはり思った通りであることがわかった。「日本の治安 中国で懸念」という見出しで、中国市民の間で、「日本は安全ではない」というイメージが広がっていることを取り上げていた。
中国メディアは、連日のように日本の「反中」の動きを報道しているという。そのため国慶節の中国では、8日間の長期休暇になり旅行へ出かける人が増加するが、日本への旅行をキャンセルする人は5万人規模だというのだ。
中国政府は日本への旅行の安全に注意を促し、旅行社には慎重に扱うように呼びかけている。
中国でのマスメディアの報道を見ていると、「今の日本は危険」だというイメージを植え付けられるのは無理がないという。「日本の右翼分子が日中関係を破壊しようとしている」と非難しているそうだ。
福岡の中国総領事館への発煙筒投げ入れ、大阪の総領事館への墨汁入りペットボトル投げ込みなどを報道しているという。
また、国営の中央テレビは、海上自衛隊の装備やオスプレイの配備などや中国軍との軍事力の比較などを詳しく報じているという。
中国ではこの時とばかり、尖閣問題を刺激的に取扱い、国民を誤った愛国へと導こうとしているようだ。国連では中国外相が「日本は日清戦争のときに尖閣列島を盗み取った」と盗人と呼ばわりをした。歴史的事実を捻じ曲げて盗人と世界に向けて言うこの態度こそ大嘘つきのすることである。
そもそも日本で反中行動をしているのはほんの数百名の連中である。それをあたかも日本人の大多数が反中であるかのような報道をするのはデマゴギーも甚だしい。マスコミの取るべき態度ではない。
日本では中国で起きた日本のスーパーや料理店や自動車会社への破壊、略奪行為に眉をひそめてはいるが、それを非難する対抗的なデモや集会は行われていない。日本に居住する中国人は安全に生活をしている。
私の日本語クラスでも、普段と変わりなく中国人に接して、親切に日本語を教えている。日本人は、中国人をやっつけろ、いじめてやれなどとは誰も思っていない。日本に来る中国人には親切に応対をする。日本にはおもてなしの心があるのだ。
日本人は、あの忌まわしい日中戦争を反省し乗り越えて、戦後70年近く平和を愛して来たのだ。中国政府はその事実を冷静に見て中国人民に伝えるべきである。
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コメント
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日本人は思ったことをストレートには言えない傾向がありますが、中国、韓国はストレートにぶつけてきます。それにしても大嘘を流すのには毅然と対応すべきでしょう。
投稿: らら | 2012年10月 2日 (火) 08時27分
嘘も100回言えば本当になるとは、ナチスドイツの宣伝相ゲッペルの有名な言葉だそうだ。一党独裁国家にとってプロパガンダは重要な支配の手段である。為政者に都合のいい情報だけ、時には大嘘の情報も平然と内外に流されるのである。旧ソ連の崩壊はゴルバチョフが推進したグラスノスチ(情報公開)がきっかけとなったといわれている。中国は全世界にむけて大嘘もとり混ぜて外交攻勢をかけているとのこと。嘘やはったりが苦手(当然のことであるが)な日本人にとって、こうした厄介な隣国と付き合うのはご免こうむりたいが、13億のマーケットのためには何が起ころうとも我慢しなければというのが、経済界の大勢なのだ。
投稿: Toshi | 2012年10月 2日 (火) 08時19分