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2012年7月22日 (日)

朝日が取り上げた首相官邸包囲デモ

 7月19日の朝日新聞15面に「金曜の夜、官邸前で」というタイトルで慶応大学教授小熊英二教授へのインタビューと高橋純子記者のルポを大きく掲載した。

 参加者から、「東京新聞に負けてるよ」と言われたからかどうか、珍しいことである。

 ルポによると、13日午後6時前、首相官邸に通じる歩道は高さ1m余のパイプ柵で囲われていた。車道にはきちょうめんに縦列駐車された大型輸送車の「塀」もできている。地下鉄でやってきた小熊さんが驚いた。「ここまでやるのか」。「今回は一人も車道には出さない」警察の意思を感じる。

 おけらさんのルポと全く共通する。この警備に対して主催者側も警察と一体になっている印象だというのもおけらさんの指摘と同じだ。参加者の中には警察の異常な警備に憤慨した人もいた。

 ところで、小熊教授は、官邸包囲デモに参加したのは3回目だそうだ。研究者としてデモを分析するのが目的なのであろう。

 彼の分析はこうである。「60年安保(※私は大学生であった)は組織労働者や学生が中心。68年は基本的には学生だけでした。組織動員以外では大学生しか自由時間がない時代です。しかし、今では、雇用形態や労働時間で自由がきく層が大きく増えた。もちろんそれは、自由だけれども飢えて死ぬのも自由だという、マルクスのいう二重の意味での『自由』ですが」

 「60年安保は所得倍増計画を打ち出せば事態は収まった。(※池田勇人さんだったなあ)68年も経済は上昇期で、就職したら運動も終わり。しかし、今回は状況が違う。構造的な不満や政治不信は簡単には収まりません」

 日本には、アメリカのウオール街占拠やエジプトなどの政権打倒とは違うものがあるという。「首相でもない。六本木ヒルズ族でもない。そこに原発事故があって見えてきたのが、政界・官界・財界の複合体だった。我々を無視して決定し、我々の安全を守る気もなく、内輪で既得権を得ている連中だ、と映っているのでしょう。『再稼働反対』という声には『日本のあり方』全体への抗議が込められていると思います」

 首相官邸包囲デモは、当初300人程度から出発し、回ごとに参加者が増え、13日の代々木公園集会では17万人に達した。この運動はただ一つ「脱原発」「原発再稼働反対」である。それ以外の幟を立てたり叫ぶことはできない。

 しかし、脱原発を叫ぶ裏には、小熊教授が指摘するように、多くの国民のやりきれなさがあることは間違いないと思われる。民主党に託した政権交代への期待はは見事に裏切られ、原発問題を通して政界・財界・官界の癒着もあらわになった。安全神話が崩壊しただけでなく、国民は何が真実かを見ることができるようになったのだ。

 朝日の見出しは、「政官財から無視される怒り、再稼働で臨界点に達した」とある。臨界点にきた国民の怒りはいったいどこへ向かうのであろう。今、大きな転換点に来ているのかもしれない。

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コメント

首相官邸包囲デモは20日も雨の中9万人と発表されました。朝日によるとここまでくると自分たちでの対策も大変だそうです。理解できます。おっしゃるように、原発、消費税、オスプレイと基地、TTPなどを争点に総選挙をやるのが望ましいと思います。野田内閣は危なくて見ておられません。

原発問題について、これまで何度もブログで取りあげられ、その都度、私も共感をもって読んでいます。しかしながら国民の過半が再稼働に反対しているにもかかわらず、再稼働は粛々と?進められています。国家の意思(財、官)には時の政権はまった
く無力であることを見せられ続けています。
やはり早期に解散をして、原発、消費税、TTP、はたまた普天間、オスプレイ等々の難問について、(前回の総選挙では争点にならなかった問題もあり)既成政党、新党がどんな考え方で臨むかを具体的にはっきりさせたうえで信を問うのが最も望ましいように思います。ただ、現下の混沌とした政治状況で国民の意思の受け皿となるような政党が存在するのか、まったく不透明であることが大問題だと思います。

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