死と医療について考える―③―老いを病にすりかえない
中村医師は、次のように書いています。
「本来、年寄は、どこか具合が悪いのが正常なのです。不具合のほとんどは老化がらみですから、医者にかかって薬を飲んだところで、すっかり良くなるわけではありません。昔の年寄のように、年を取ればこんなものと諦めることが必要なのです。
ところが、『年のせい』を認めようとはせず、『老い』を『病』にすり替えます。なぜなら『老い』は一方通行で、その先には『死』がありますが、病気なら回復が期待できますから。」(P.6)
私も高齢者となって日を追うごとに歳をとっている。健康をどのように定義するのかは知らないが、完全な健康でないことは確かである。緑内障や白内障という眼の病気(老化?)を持っているし、耳も少し聴きづらくなった気がする。
でも、自立をして好きな趣味やボランティア活動などに出掛けているし、晩酌も欠かしたことがない。その点は有難いことだと思っている。
中村医師が言うように、年を取るということは老化であり、どこか具合がわるくなるのは避けられないのだ。
私はシクラメンが好きでいつも育てていることは前にも書いたことがある。そのシクラメンだが、11月初めごろから3月までは次々と花を咲かせ、水や肥料も受け付ける。ところが、4月になると少しずつ弱り始めて肥料も効き目なく、水だけである。そして次第に花が落ちていってなくなってしまう。今は辛うじて残った葉っぱだけである。そのままにしておけば死んでしまう。
老化というのは植物でも同じである。1年草を見ればよく分かることである。雑草はしまいには枯れて死んでしまうのだ。
釈迦は人の苦を「生・老・病・死」としてそれを四苦と名付けた。苦は他にもあるが今は四苦を取り上げる。釈迦はこの四苦をどうしようもないものとして、つまりこの世に生まれたときから背負っているものとしてとらえ、それから離脱する心の持ち方を説いたのであった。その真実をしっかりと見て諦めることが大事だと説いたのだ。
年をとるということは老化だからどうにもならないし、老化は病を伴うからこれも必然である。その先にある死はいうまでもない。
ガンも老化が大きく関係していると言われるし、年寄に怖い肺炎も老化が関係している。脳卒中や心臓麻痺はいわずもがなである。
ふだんから健康に気を付けていることは大事だが、いつどんな病気になるかもしれない。年をとるとその確率が高くなるということだ。昔から一病息災というが名言である。ニ病でも三病でも息災と諦めることが肝心であろう。
―続く―
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