TEDカンファレンスで話す慈善事業家ビル・ゲイツを聴く
マイクロソフトの創始者ビル・ゲイツは、巨万の富を得てCEOを退き、2000年に妻と共にゲイツ慈善事業財団を立ち上げた。あの有名な投資家のウォーレン・バフェットも財団に370億ドルの寄付をした。
アメリカの事業家の凄いところはゲイツのように慈善事業などに寄付をすることだ。日本ではあまり聞いたことがない。
そのビル・ゲイツがTEDカンファレンスでon mosquito,mararia and educationと題してスピーチをした。
TEDカンファレンスについては、毎週月曜日にEテレで午後11時から放送されている。さまざまなスピーカーが登場し、英語で得意分野のスピーチをするのだが大変面白い。
まず、ゲイツが話したのは、アフリカや南アメリカなどでマラリア対策に取り組んでいることだ。
世界の乳幼児死亡率は1960年に1.1億人生まれて200万人死んだ。それが207年には1.3億人生まれて1000万人死んだが、死亡率は半減した。それで平均寿命は倍になった。それには予防接種の普及が大きく寄与している。
今では乳幼児の死亡原因の主なものは、下痢、肺炎、マラリアだという。そしてゲイツはマラリアは撲滅できるというのだ。
北半球の豊かな国々では、マラリアはほぼなくなった。それは、特効薬と殺虫剤のおかげであるという。ところがアフリカなどでは金がないので現在地球上では2億人がマラリアに感染し、100万人が死んでいるという。
マラリアをなくすには蚊を撲滅するのだが、その対策資金がない。頭の禿げを治す薬の開発には多額の金を使ってもマラリア対策には金が回らないのだという。
蚊をなくすには、殺虫剤と蚊帳が必要だ。そのために世界中の啓蒙家や社会学者や数学家や製薬会社などの協力が必要だと訴える。
私は、日本の蚊帳メーカーが画期的な蚊帳を製造してアフリカで貢献しているのを知っているが、ビル・ゲイツはそれには触れなかった。知らないのであろうか?
ゲイツ財団では、マラリアのワクチン開発に資金を提供しており、近い将来それができればマラリア撲滅に役立つだろうと述べた。
次に、ゲイツは、啓蒙家や学者などを育てるには、教育が大切で、とりわけ教育技術の高い教師を養成することが大事だと話した。そのためにゲイツ財団はアメリカで取組を始めていると言った。
彼はスピーチの中で何度か「私は楽天家である。どんな問題も必ず解決できる」と述べた。
UNISEFでは、発展に取り残されている国々の乳幼児を死亡から守るために寄付金を募っている。今日もUNISEFからの寄付要請が届いた。それによると、「今日もこの世に生を受けた赤ちゃんが、24時間もたないうちに命を落とす―そんな悲劇が、世界では年間約150万人に起こっています」と書いてある。
UNISEFは、予防接種を普及させる運動にも取り組んできた。そうした活動やゲイツ慈善事業財団の活動などが乳幼児の死亡率の低下に貢献しているのだ。
それにしても、ビル・ゲイツが儲けた金を慈善事業に投じていることに頭が下がる。中国や日本や韓国などの大金持ちも少しは見習ったらよいと思う。
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私にもわかりません。西洋には慈善の伝統があるからでしょうか?
投稿: らら | 2012年7月10日 (火) 17時56分
なぜ西洋のお金持ちと東洋のお金持ちの寄付の概念は違うんでしょうね。
投稿: よし@お金持ち研究 | 2012年7月10日 (火) 03時07分
TEDカンファランスを取り上げたのは、今回で2度目です。Eテレで月曜日夜10だったかに放映されます。とても面白いです。日本の国会答弁と違って草稿なしでしゃべります。すごいです。
投稿: らら | 2012年6月22日 (金) 08時38分
恥ずかしながらTEDカンファレンスについては、まったく知りませんでした。さっそくネットで検索してみました。世界の知性が語る色々な話題についてのスピーチが無料で動画配信されるとありました。勿論、英語ですが、日本語字幕もありますので
貴重な価値ある情報が得られるのと同時に英語の勉強にもなりますので、まさに一石二鳥です。
字幕無しでもこのレベルの英語がどんどん聴きとれる若い人がどんどん増えれば日本も真の意味で国際化するのではと思います。
投稿: Toshi | 2012年6月21日 (木) 13時28分