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2012年6月19日 (火)

朝日新聞スクープ?米の放射線実測図放置

 6月18日の朝日新聞朝刊トップ記事は、「米の放射線実測図放置」であった。非常に重要な内容であるが,NHKでも日本経済新聞でも中日新聞でも報道されなかったから、朝日新聞のスクープだと推測される。

 朝日新聞では、昨年の10月末ごろ、文部科学省や保安院がアメリカが飛行機を飛ばして実測した放射能汚染の実測地図を早くから入手していたらしいという情報をつかんだ。

 しかし、取材は「役所の壁」にはばまれて難航を極めたという。それがここに来てやっと本当のことがわかったということのようだ。

 本当のこととは、昨年3月11日の福島第一原発の事故の後、17日から19日の間に、米エネルギー省が米軍機を飛ばして、空から放射線測定を行って詳細な「汚染地図」を提供したのに、日本政府はこのデータを公表せず、住民の避難に活用していなかったことが分かったことだ。

 この汚染地図は放射能の広がりを正しく示しており、高濃度汚染地域が北西方向に帯状に広がっていることが一目で分かるものだ。

 アメリカのエネルギー省は、このデータを3月18日と20日の2回、電子メールで外務省に提供した。外務省はそれを文部科学省と原子力安全・保安院に転送したという。

 そのデータが文部科学省や保安院に伝えられたにもかかわらず、無視されて、首相官邸や原子力安全委員会にも知らされなかったのだ。そのために大勢の住民が汚染地域を避難先や避難経路に選ぶことになったのだ。

 福島県浪江町や飯館村などを含む福島第一原発の北西方向に、30kmにわたり、1時間当たり125マイクロシーベルトを超す線量が広がっていた。それは8時間で住民の年間被ばく線量の限度を超える数値であった。

 文部科学省の渡辺次官は「当時は提供されたデータを住民避難にいかすという発想はなかった」と述べている。政府が飯館村などを「計画的避難区域」に指定したのは事故から1か月以上たった4月22日であった。

 その間汚染地域の住民は高濃度放射線量にさらされ続け、しかも、避難も汚染の高い地域へ行われたのだ。

 政府の初動対応では、汚染の広がりを予測する緊急時迅速放射能予測システム(SPEEDI)の結果発表も遅れて結局活用されなかったが、それより大事なせっかくの貴重な実測データが放置されたのだ。

 役所のこの認識の甘さ、無責任さ、これはどれほど非難されてもしすぎではない。政府の官僚のいい加減さ、国民無視がこの件でも証明されたのだ。

 朝日新聞のスクープを讃えたい。保安院が公式取材に応じたのは、3か月後のやっと6月15日で、しかも、データを受け取った事実自体を確認中という回答だったという。

 保安院はどこまで無責任なのか呆れて物が言えない。

  

 

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