素敵な邦楽コンサート―尺八の魅力―
日曜日(10日)に中村文化小劇場で開かれた「竹の輪コンサート~尺八の魅力~」を聴きに行った。主催は岩田恭彦尺八音楽教室であった。
私は、邦楽にはほとんど知識がなく、ときたま案内をもらうと聴きに行く程度である。長唄、常磐津と言われてもその区別さえ知らない邦楽音痴である。
でも、聴くことは嫌いではないし、そういう機会を捉えて邦楽にも親しみたいと思っている。
12時半開場であったが、予想に反して観客は少なく、好きなところに席を取ることができた。開演時刻の1時になっても聴衆は50名程度でなんだか気の毒な気がした。
写真撮影や録音はまわりの人に迷惑を掛けない限り自由に・・・ということであった。それでICレコーダーに録音をさせてもらうことにした。
1時になると幕が開き、まず、越後獅子(峰崎勾當作曲)が始まった。三絃は本手が5人、替手が3人、尺八が7人であった。写真を撮ったのだが前の人と後ろの尺八をが重なっていたのが残念であった。
2番目は、北海民謡調(宮城道雄作曲)で、琴が4人、17絃が1名、尺八が11名もいた。ソーラン節、追分のソナタ形式だそうで親しみやすいものであった。
3番目は、夕やけこやけ変奏曲(野村正峰作曲)で琴3名、尺八3名の合奏であった。とても聴きやすい変奏曲であった。
4番目は、八千代獅子(藤永検校作曲)で、琴1名、三絃2名、尺八が1名。
5番目は、出口の柳(初代杵屋長五郎作曲)三絃本手4名、替手2名、尺八1名。京都島原の遊女が、その心情を出口の柳にたとえて歌ったものという。新内に近い粋な作品だそうだ。300年前の古曲だという。以前にどこかで一度聴いたことがあるように思った。
6番目は、残月(峰崎勾當作曲)で琴、三絃、尺八が1名ずつ。地歌手事の名曲中の名曲だそうだ。静かでしんみりとした歌が入り眠気を催す感じであった。
休憩がないので、次の曲は聞かずに勝手に休憩にした。
素晴らしいと思ったのは、勝手休憩の後からの演奏であった。15時から始まった。
まず、和太鼓グループ打雅奴(ダガヤ)のエキサイトショー。曲目は、熊野、竹田の子守唄、打つ八丈で、尺八4名、打太鼓6名、津軽三味線1名。
勇壮な力強い太鼓の響きに引き込まれた。
9番目は、磨墨のうた(岩田恭彦、川崎絵都夫共作)
第一楽章 せせらぎの道、第2楽章 里の歌、第3楽章 流れの中に
郡上八幡の吉田川の流れを美しい旋律の中に求めたもの。今回は打楽器が加わった。やはり、打楽器のリズムがあると演奏が一層引き立つと感じた。素晴らしい演奏であった。
琴4名、十七絃1名、和太鼓とパーカッション1名、尺八5名。
10番目は、子どものためのラプソディ(水野利彦作曲)
第1楽章 空飛ぶじゅうたん、第3楽章 お化けのダンス、第4楽章 南の国のカーニバル
琴4名、十七絃1名、尺八6名による演奏でこれも素晴らしい現代曲であった。
最後は、飛翔スーパーステージ(岩田恭彦作曲)であったが時間の関係で「日本の響き」が割愛されたのが残念であった。ソーラン節最強バージョン、きらめき、とどろきの3曲が演奏された。
尺八6名、ソロ尺八岩田恭彦、河西明風、和太鼓 柳川翼、琴1名、十七絃1名、シンセサイザー1名。
すべての曲がのりのりで楽しんでいただける曲で、演奏者と観客が一緒に踊れるような曲だということで、岩田さんは実際に踊りながら演奏をしていた。
15時以後の現代曲を聴いて驚いたのは、尺八の可能性で、私が持っていた尺八のイメージが完全に覆された。尺八でリズム感のある現代的なメロディを演奏できるとは思ってもいなからだ。
和太鼓のリズム、琴と絃、そして尺八のメロディでまるで邦楽のオーケストラという感じであった。こういう曲を広めていけば若い人にも尺八や邦楽に興味を持つ人が増えるのではないかと思った。
聴衆も15時以後には増えていたからやはり期待していたのであろう。
竹の輪コンサートというのは、オリンピックイヤーに開かれるとプログラムに書いてあった。
岩田恭彦 稲沢市稲葉4-1-18、ライオンズマンション108号
TEL:0587-24-3029
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