自民党に助けられたマニュフェスト放棄
消費税の増税を民主・自民・公明の三党が合意に達した。17日のサンデーモーニング岸井氏の説明によると、これは最初から決まっていた落ち所であったという。
自民党は、民主党が先の衆議院選挙で掲げたマニュフェストの目玉である「後期高齢者医療制度の廃止」と「最低年金制度」を放棄させたが、実は民主党は何とかしてこれを放棄したかったというのだ。民主党が自らマニュフェストに掲げたことを放棄するわけにはいかないので、自民党に迫られて已むを得ず放棄することになったという形を作ったというのだ。
自民党は最初からそれを見越して手を打ってきたという。自民党石原幹事長は民主党の公約は撤回されたと述べ、公明党の斉藤幹事長も同じ趣旨の発言をしている。
(自民党の)石原伸晃幹事長も都内で記者団に「実質的に最低保障年金も後期高齢者医療制度廃止も、自公がそっぽを向いたら話もできないということが決まった」と述べ、民主党は今後、自公両党の公約撤回要求に従わざるを得ないとの考えを強調した。
公明党の斉藤鉄夫幹事長代行も同日のTBSテレビの番組で「民主党の公約は実質的に撤回された」と自民党と足並みをそろえた。 (2012/06/16-18:27時事通信)
これを内心一番喜んでいるのは、野田首相であり、岡田副総理だ。そしておそらく殆どの民主党員であろう。これからはマニュフェストに縛られなくて済むからである。
岸井氏は、こうもコメントした。「民主・自民・公明は連立を狙っている」と。確かに公明党の幹部は連立をほのめかす発言をした。そのための障害となる民主党のマニュフェストの放棄は必須条件なのだ。
また、岸井氏は「最後には小沢グループも態度を和らげて棄権とか欠席という手段に出るであろう」と指摘した。小沢氏ももともとは消費税増税を唱えていたのだ。
それにしても民主党の変節は余りにも露骨で政党としての信義も何もあったものではない。選挙民を欺くにもほどがある。岸井氏は、これまでに政治の劣化がひどすぎると何度も述べていたが、本当にその通りである。
民主党ももとはと言えば、自民党から出た人たちが主力である。だからこのような結果になっても何ら不思議ではない。同じ穴のムジナなのだ。
政治が劣化する間隙をぬって和製ヒトラーを待望する雰囲気が醸成されることを怖れずにはいられない。
« 小出裕章先生の話に納得そして嘉田知事の暴露 | トップページ | 朝日新聞スクープ?米の放射線実測図放置 »
「政治・経済」カテゴリの記事
- 副大臣・政務官人事(2023.09.18)
- 野村農水相の発言(2023.09.02)
- マイナー保険証反対の声をどんどんあげよう!(2023.08.18)
- 特捜部に期待、秋本議員の収賄疑惑徹底解明(2023.08.08)
- 医療DXに騙されないようにしよう(2023.08.02)
結局、事実上の大連立だとある週刊誌が指摘しています。それにしても節操のないことだと思います。
投稿: らら | 2012年6月19日 (火) 08時34分
3党合意の増税法案が可決されれば、速やかに衆議院を解散して民意を問うのが筋であるが、そう簡単にはいかないのが政治の世界なのだ。選挙に勝つことが、政党、政治家にとってまさに死活問題であるので、これからは解散時期を巡って各党の利害がぶつかり合うことになる。原発再稼働、消費増税と国民に反発の多い政策が決定された後では、選挙戦に
不利ということなので、民主党は勿論のこと、表面上は早期解散を主張している自民党も、ほとぼりのさめるまで待つ?ことになりそうだ。次の選挙では
この両党はどんなマニュフェストで選挙を戦うつもりなのか。それにしても選挙民は舐められたものである。国家は選挙民(国民)のレベル以上の政治(
政治家)を持つことはできないという言葉にリアリティが感じられるのは残念である。
投稿: Toshi | 2012年6月18日 (月) 08時43分