御園座で「細雪」を観劇
4月26日まで御園座で上演されている「細雪」の券をもらったので見に行った。文豪谷崎潤一郎の原作を菊田一夫が脚色したのもので、東宝演劇の人気作だそうだ。1966年に初演され、今回で1400回目のロングランだという。
主演の4姉妹は、これまで55人も演じたそうだが、今回は長女鶴子を高橋恵子、次女幸子を賀来千賀子、三女雪子を水野真紀、四女妙子を石川利華が演じた。
舞台は大阪船場の江戸時代から続く老舗のと分家の次女の芦屋の家が交互に設定され、物語は昭和12年ごろから戦時中までの間のことだが、時の流れを桜の花や葉、雪などで表していた。
本家の長女鶴子は家柄や格式やしきたりを重んじる。そのために三女の雪子は何回も見合いをするが結婚できず、30歳になってしまう。
次女の幸子は妹たちを優しく見守り、本家を飛び出した三女と四女の妙子を芦屋の家に住まわせる。
四女の妙子は人形作家だが、恋愛に積極的で騒動を引き起こす。
劇は3幕に分かれ、暗転でつないでいく。戦争で本家の家業は立ちいかなくなるが、長女は江戸時代から続いた家の誇りを捨てようとはしない。
結局、三女の雪子は京都の公家の子孫の子爵の男と結婚することになり、四女の妙子は3人目の男と貧しいながらも自立した生き方を選ぶ。
今でいうセレブの美貌の四姉妹の格式やしきたりをめぐる争いが描かれるわけだが、おそらく今の若い人たちには理解が難しいであろうと思った。それもあってか観客のほとんどは高齢の女性でちらほらと中年の女性と高齢の男性がいた。
あの大変な戦争の真っただ中で、きれいな着物を着て、食べ物にも酒にも不自由せず、車を乗り回すことができるのだから庶民からかけ離れた別世界である。あの太平洋戦争で国民が苦しんでいたときに、その同じ時代を背景にセレブの人たちは庶民とは別次元の個人的な悩みで生きていたのだ。
船場の老舗を背景にそ、の没落と格式を守ろうとし気位高く生きようとした女性像を描いたものだと思うのだが現代には合わないと感じた。
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若い頃は演劇をよく見に行きました。最近は殆ど行きません。歳かなあと思います。
投稿: らら | 2013年3月30日 (土) 11時28分
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細雪 まだ 読んだ事の無い 私です。
エッチかなぁ?
レンタルDVD で 映画で 観ようかナァ
谷崎文学は スケベだと思っていた。
子供の頃(小学生低学年ぐらいだったかなぁ) テレビで 映画 鍵とか 両性~? 観たことあります。
観劇も いいですね。芸能人は 大変ですね。
3回ぐらい 観劇したことあります。
後は テレビで 観劇 も 時折 みます。
観劇同好会(名前検討中
投稿: 村石太マン | 2013年3月30日 (土) 10時18分
写真で見ると、4姉妹はとっても豪華です。お芝居は夢の世界に遊ぶこともあります。
投稿: らら | 2012年4月22日 (日) 12時05分
御園座という格式のある舞台での4人のセレブの姉妹の細雪は1400回も続いていますが、それを見ている高齢者の心の内は・・・と思います。
投稿: fumiko | 2012年4月22日 (日) 09時42分