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2012年4月25日 (水)

驚くべき賄賂の国、中国 元重慶市共産党書記薄氏に見る

 日本を抜いてGDPで世界第2位となった中国。鄧小平氏の先富論から30年ほどで工業化と都市化をなし遂げ、上海など都市部では超高層ビルが乱立する経済大国となった。

  その中国の重要都市の1つである重慶市の薄熙来元共産党書記のスキャンダルは日本でも何度も報道された。今年の秋に中国共産党総書記が代わるので政治的権力闘争だとも言われるが、そんなことはどうでもよい。驚くべきことはその蓄財ぶりである。

  4月21日の朝日新聞によると、薄氏夫妻の海外送金は4800億円と書いてあった。この金は不正に取得したものだという。1990年前半から大連市長を務め、重慶市の最高幹部になって最近に辞めさせられた。その間、権力の座を利用して、関係が深い企業や、昇進の便宜を図った部からから不透明な金を得たというのだ。

  不透明な金、つまり賄賂である。重慶市は「独立王国」と呼ばれ薄氏は絶大な権力をほしいままにし、次は中央政界入りと目されていた。中でも南岸地区は王国の中の王国と言われた。そのトップは夏沢良書記で2009年に農村地区の書記から薄氏によって大抜擢された。

  その夏書記は、薄氏に何と3000万元(3億9000万円)の賄賂を送ったというのだ。農村の一書記でも3億9000万円という大金を賄賂に使えるということは、同じように賄賂による収入があるからである。

  薄氏の長男瓜瓜さんはハーバード大学に留学する優秀な学生だが、その生活はド派手で、フェラーリを乗り回し、ワンルームでも月に2300$もするマンションに住んでいるという。薄氏の蓄財ぶりからみれば何ということはない金額だ。

  問題は、中国では賄賂が当たり前だということだ。それはおそらく昔からの中国人の習い性なのだと思われる。私は、退職後中国関係のビジネスを手がけた人と知り合ったが、ささいなことでも賄賂がまかり通っていたのを見聞きした。上から下までやらねば損とばかりに賄賂を出したりもらったりするのだ。

  私の中国人の友人に賄賂のことを話したら、そんなことは誰でも知っている当たり前のことだと言った。特に共産党や役人はひどいという。

  私が学生の頃、毛沢東が率いる八路軍と蒋介石の軍が戦っていた。その様子を描いた小説を読んだことがあるが、人民軍が人民に献身的に奉仕して信頼を得ていく様子が詳しく描かれていた。

  あの「人民に奉仕せよ」という共産党の立党精神はどこへ行ってしまったのであろうか。いつの間にか利権をあさり、権力を振り回し、力で抑えつける政治に変わってしまった。

  13億の民のうち農村人口は6億5000万人に減ってしまったが、内陸農村の貧困と都市やその近郊との経済格差は非常に大きい。医者にかかるのも金次第と言われる。

  共産党は労働者や農民など貧困層を助けるのを理想として革命を成功させたはずだがその高邁な目標はどこかへ消えて、今や腐敗の悪臭に満ちた沼の中にある。

  中国はこれからも経済成長をするのかもしれないが、いつまでも賄賂の政治が行われていればそのうち立ち行かなくなるであろう。

 それとも百年河清を待つに如かずか?

 

 顧みて日本はというともっと巧妙に行われている。献金、寄付、天下り、政党交付金など合法的を装って多額の金が動くのだから始末が悪い。

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コメント

私は「マオ」を読んでいません。図書館にあったら借りて読んでみます。

世界的ベストセラー「ワイルド・スワン」の著者ユン・チアンが描いた毛沢東の衝撃的な伝記「マオ」
を読むと、労働者や農民などの貧困層を助けて共産革命を成功させたと称される毛沢東の実像は「建国の英雄」とは程遠い残虐な独裁者であったことが、膨大な資料を基に圧倒的な筆致で描かれている。
アヘンの密売。政敵の拉致、抹殺、偽札、人民が何千万と飢えようとも、続けられた核開発等々(今もどこかの国がまったく同じようなことをやっている。)革命神話は全くのプロパガンダと言うのが筆者の結論である。私の学生時代も中国は共産革命が成功した理想の国家であるという見方が主流であり、天下の朝日新聞もそのような論調であった。今回の中国共産党の要職者のスキャンダルは氷山の一角?に違いない。そう言えば、昨年起きた中国高速鉄道の脱線事故の時も鉄道省の幹部の腐敗ぶりが話題になった。

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