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2012年4月17日 (火)

原発再稼働を地ならし?朝日新聞

 16日の朝日新聞朝刊のトップ記事は、世論調査の結果であった。大見出しは、「大飯再稼働『反対』55%」である。朝日新聞は、反対が55%にのぼったと多いように書いてあるが、私の印象はたった55%?である。せめて75%ぐらいは反対すると思っていたからだ。

 反対が強い背景には、野田内閣が主張する安全性や必要性に対する不信感があると指摘しているが、いかにも熟慮したような印象を与えながらたった3日間で再稼働を決定したそのやり方は、予め決まっていたことが見え見えである。しかも、仙谷氏が、関係閣僚の会議にも出席するなど先頭に立っていたという。その仙谷氏は、国民に再稼働を発表する1週間前の6日にある経済人に政権の決断が伝えられていたそうだ。「決めました。枝野大臣も同じ考えです」と言った。仙谷氏は枝野大臣の後ろ盾とは言ってもいったいなに様のつもりなのだ。

  同じ日の朝日新聞2面には、「再稼働の裏側」という特集記事があり、その見出しは、「経済界 必死の攻勢」と書いてあり、サブタイトルには「電気代値上げに悲鳴」とある。

  記事を読んでみると、「(原発なしで)この夏ピーク電力をどう乗り切るのか。見通しがなければ事業計画が立てられない」という長谷川経済同友会代表幹事の話をのせている。電気料金が値上がりして、経営を圧迫するからだという。その他に東京の冷食大手ニチレイの子会社ロジスティクス・ネットワークの冷凍食品保管の苦労を伝えている。やはり電力料金の値上げは大変だというのだ。

  これまでは電力会社はどれほど原発に頼ってきたかを説明し、節電にも限度があるから原発がなくなるとどんなに困るかを縷々書いている。

  朝日新聞の記事は、原発がないと電力不足が起きて困るということを客観的に取り上げているようだが、その裏では巧みに世論を原発必要だという方向に誘導しているように感じるのだ。

東京新聞は、電力不足についての政府の説明に疑問を投げかけている。

 関電管内にとって大変な数字。当然、(企業や市民に)節電をお願いすることになる」-。藤村修官房長官は十日の記者会見で、関電管内の住民らに計画的な節電を要請する可能性があるとの見方を示した。

 

 「数字」とは、前日の四者協議で関電側が示した今年の夏の電力需給の見通しだ。

(1)原発再稼動せず、2010年の夏のような猛暑に襲われると、ピーク需要に対し19.6%の電力が不足

(2)十一年並の暑さで節電しても7.6%の不足

(3)火力発電所がトラブルで停止すると最大23.3%が不足ーと、いずれも大幅な不足に陥ると強調している。

 

  大飯3,4号機が稼動した場合の見通しは示していないが、「再稼動しなければ大規模停電になる」と脅しているも同然だ。

 ただ、額面通りには受け取れない。関電は昨年十一月、この冬は最大で9.5%の電力不足が生じると試算して、節電を呼びかけた。だが、実際には、電力供給が「厳しい」とされる供給力に対する使用率95%以上の日はゼロ。管内の電力需給は安定していた。

 

 最大の要因は、夜間の余剰電力でダムなどに水をくみ上げ、昼間に水を落として発電する揚水発電の積み増しや、他の電力会社から受けた電力の融通量が増えたことだ。寒さがピークの二月は、予想より三百十八万キロワットも供給力が増えた。

 

  関電の広報担当者は「節電意識の高まりのおかげ」と話すが、事前の供給力を、必要以上に低く見積もっていたとの疑念もある。今夏、揚水発電原発停止の影響で余剰電量が減り昨夏の四百六十五万キロワットが半分程度になる。ただ、全体の供給力を能力いっぱいで積算しているのかどうか、前例があるだけに判然としない。

電力間で融通できる電力量も、電力会社の主張よりも「余力」がある。九州電力では二月、火力発電所のトラブルで、東京電量や関電など電力六社から最大百四十一万キロワットの電力融通を受けた。それまで、九州と本州をつなぐ送電線で融通ができる電力の限界は三十万キロワットとされてきたが、実際の供給量はその四・七倍に上った。

 関電は今夏、計百二十一万キロワットの融通を中部電力中国電力などから受ける計画になっているが、もっと増える可能性も高い。

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コメント

仙石氏の集団自殺発言については明日取り上げます。原発を争点にする橋下大阪市長のやり方は小泉の郵政改革を争点にしたやり方と酷似していて危険です。それについても書きたいと思っています。

投稿: らら | 2012年4月17日 (火) 21時02分

「集団自殺」とはうまい言い方だと感心しました。
原発を止めないは、「人民殺戮」という方がいいです。反対者が「自殺」してくれれば、後日、皆殺ししても罪に問われる心配がないからです。
 原発が安全安全と言って事故になった場合、だれが責任を取ってくれるのでしょう。野田さんも枝野さんも責任を取る能力はないのではありませんか。
責任能力があると思って推進するのは、思い上がりもいいとこだと私は思います。

投稿: Ninja | 2012年4月17日 (火) 11時26分

件の仙石氏は昨日、講演で原発を全て止めてしまうことは、ある意味日本が集団自殺をするようなものと発言したことが話題になっている。石原都知事も国民が原発についてトラウマになっていることは分かるがという言い方をしている。両者の発言はまるでは脱原発を叫んでいる連中は精神病に近いとでも言いたげである。そう言えば息子の石原自民党幹事長も集団ヒステリーと発言していた。経済界とそれを代弁する経産省のマインドコントロールに枝野大臣も当初の脱原発からは完全にトーンダウンである。
前回も言ったように、来るべき総選挙では原発問題を
大きな争点にして国民の信を問う他はないと思う。

投稿: Toshi | 2012年4月17日 (火) 08時53分

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