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2012年2月28日 (火)

小沢一郎元代表のもっともらしい言い分

 24日の朝日新聞に「消費税と政界の再編」と題して、小沢一郎元民主党代表へのインタヴューが載った。興味をひいたので読んでみた。興味深い発言がいくつかあったので拾い上げてみる。

  ○政権交代して2年半、政治が機能していないことについて。

 小沢氏は、「2009年の総選挙は変化を嫌う日本国民にとって大変な決断であり、夢をかけたのだと思う。でも、民主党は期待に応えるだけの資質を身につけていなかった」と指摘したが、その通りである。マニュフェストというものを用意して、やれるかどうかわからないことを並べ立てたが、いざ政権を託されると殆どが実行不可能であった。だから、国民はがっかりして見放したのだ。

○震災3か月で菅内閣不信任案に賛成したのは?

  「僕は、原発が水素爆発した直後から『メルトダウンしている』『すべての情報を公開しろ』と言い続けてきた。政府が認めたのは何か月も後だ。そういう隠蔽体質、役所も含めてきちんと整理できなかったのはトップの責任になる」と言っている。その通りだが、小沢氏が首相であったら果たして言うとおりの対応をしたのかどうかは疑問符である。

  政府は原発対応の施策を決めるいろいろな会合の議事録を一切残さなかった。それに対して、先日アメリカの福島原発事故対応の会議の3000ページにも上る詳細な議事録とテープが公開された。この日米の違いはいったい何なのだと憤りを感じたものだ。それが民主党政権の実態なのだ。

  ○震災から1年、原発の見直しの機運が失せています。

  「原発はあくまでも過渡的エネルギーだ。新しいエネルギー開発に全力を挙げて来なかったのは我々も反省すべき点だ。」と述べている。彼は、原発見直しなのかどうかについては明言を避けた。非常にあいまいでどうとも取れる表現である。政府の「収束宣言」についても、無責任だとは言うが、傍観者の立場の発言である。

 ○消費税増税について

  「国民に税負担を強いる前にやることがある。自民党と同じ制度に乗っかったまま、『カネがない。だから増税』では国民は理解しない。税と社会保障の一体改革と言うが、社会保障の青写真は全く示していない。」と批判している。自民党と同じ制度とはどういうことなのか。自民党が作った制度をそのままにしているということなのか、小沢氏の青写真はどうなのかは不明である。

  ○日本は借金まみれだがどうするのか。

  「予算編成は自民党時代と同じ各省の積み上げ方式で、政策の優先順位は全く入っていない。補助金と政府経費など優先順位をつけることのできる予算が毎年30数兆円ある。いらないものを廃止すればよい。統治機構を根本から変えて中央集権体制から地域主権体制へと改革すれば、二重三重の行政の無駄が省ける。」という。

  確かに民主党政権も自民党の亜流であることは明白で、最初の意気込みはどこかへ消えてしまった。小沢氏が云うようにやれば消費税の値上げをしなくても済むのならそうすべきである。具体的な案を小沢氏から提案してほしい。この点は、サンデーモーニングでも、岸井氏が指摘していたところだ。

 ○仮に選挙になった場合は?

  「惨敗だ。私が先頭に立って戦って勝ち取った政権だから、何とか成功させたいのだが、このままでは、民主党は勝ち目がない。」と選挙上手の小沢氏は指摘する。私も同感である。民主党の惨敗は目に見えている。そうかと言って自民・公明に戻るとも思えない。それは国民の期待に反することだからだ。

  「心配なのは、過半数を取れる政党がなくなることだ。そうなったら何も決められずに、日本は大混乱に陥る。」と言っているが、それは多くの人の想定するところである。田中秀征氏は、X党が出現するかもしれないと言っていた。X党が維新塾なのかはたまた別のものなのかは分からないという。政界再編が加速するのかもしれないが、それとて今の民主党のようなさまざまなグループの集合体になるであろう。まだまだもめそうである。

  小沢氏は、70歳。まだまだ元気に意欲を燃やしているようだから目を離すことはできない。

 

 

 

 

 

 

 

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