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2012年1月25日 (水)

「開拓者たち」を見て

 NHKプレミアムで4週間にわたり放映された「開拓者たち」を録画しておいて見終わった。

  宮城県から満州の千振に開拓に行った人たちの辛酸をなめた苦労を描いたものであった。ところどころに現在も生きている開拓者の証言を入れて構成されたノンフィクションである。

  おそらく実際にあったいくつかのエピソードを組み合わせてドキュメンタリドラマにしたのであろう。

  宮城県の貧しい農民の娘たちが千振開拓地に送られ、それぞれが先に現地で開拓をしていた農民と結婚をして家庭を作ることから始まった。

  満嶋ひかりが主役でハツを演じた。ハツは大変しっかりもので現地で助産婦の資格を取った。おじょうずを言わない夫速男との出会いであったが、そのうちに二人は愛を深めていった。

  弟は憲兵隊に志願し、妹は関東軍の看護婦になり、夫は徴兵される。開拓地の男たちも関東軍に徴兵された。

  それでもソ連軍の参戦までは、肥沃な農地で幸せに暮らしていたが、1945年8月9日のソ連の参戦によって事態は急変する。

  開拓地に残る者と逃げる者に分かれた。ハツや弟たちは逃げる方を選んだ。一方残った者たちは青酸カリで集団自決をするはめになる。

  逃げる方も道なき道を子どもや年寄を連れて歩き、食料もなく大変な難行であった。ある川を渡るところで年よりの指導者早坂や体の弱い人がもういいと言って残って死を選ぶ。ハツは次女を逃避行の中で死なす。一方その中で生まれた子が生きて帰国するということもあった。

  中国は国共の内戦となり、混乱して大変であった。速男たちはシベリアに連れて行かれる。妹の富枝は共産軍で働かされる。中国で強制労働をさせられた人もいる。

  やがて引上げ船で日本に帰国できる日がやってきたが、帰国してからも苦難の日が続いた。那須高原の国有地をあてがわれ、リーダー吉崎のもとで開拓をするのだが、必死になって農地を作っても作物が育たない土地であったのだ。そうした中で牧畜に活路を見出す。

  ドラマはシベリアに抑留をされた速男たちや、軍病院で働く富枝と兵隊の恋愛や憲兵隊の弟が戦犯として苦しむ様子などが織り交ぜられて展開する。

  やがてシベリアに抑留されていた人たちが帰ってきたが夫の速男は肺炎で死んで帰らなかった。

 また強制労働で炭鉱で働いていた今野力は帰ってみたら、妻が他の男と再婚していた。

  やがて弟の史郎とハツが世話をした孤児の恵がみんなに祝福されて結婚をする。それから何十年か時が過ぎ、開拓者たちは、那須の高原牧場で幸せに暮らす。牧場には、夫の速男の手紙に入っていた種をハツが蒔いた千振の桔梗が毎年咲く。

  ある人が「栃木県が牛乳の生産高で全国第二位なのは開拓団がそのもとをつくったからだ」と証言していた。

  「開拓者たち」を見て「絆」という言葉が脳裏に浮かんだ。本当の絆は生死を分かつ辛酸な苦労を共にして生きてきた人々の中にこそあるのだと思った。東日本大震災後絆という言葉があちらこちらで語られ、清水寺の今年の一字にも書かれた。しかし、中には商品名の中にも用いられて安易に絆が使われている向きもある。絆が安っぽくなってしまった感がある。本当の絆とは何かと考えさせられた。

 それとともに人間が生きる強さとか人のさまざまな運命も考えさせられた。

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コメント

 送り出すときは、鳴り物入りで、敗戦で引き揚げたら誰も見向きもしてくれないと、リーダーの吉崎さんが国会で訴える場面があります。
 関東軍は開拓者を見捨てたのに軍人恩給や遺族給付金がもらえる。開拓者には何もないとも言っていました。

あらすじを読ませていただいて実話に基づいた素晴らしい内容のドラマであったように思われます。
満蒙開拓団は長野県からも多いと聞きます。それはさておき、時の政府が新しい希望の新天地だと喧伝し、それを信じて多くの開拓民が海を渡りました。ドラマではこのあたりどのようにとりあげられているか分かりませんが、結果的には当時の国策に翻弄された悲劇だと思います。それにしても日ソ不可侵条約をソ連は弊履のごと破り、ポツダム宣言を受け入れた後にも攻撃の手を緩めず、あまつさえ何十万という日本軍他の捕虜をシベリアに強制連行しました。この歴然とした国際法違反の蛮行は今もって不問のままです。

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