驚き!まだ続くの?中流意識―NHK世論調査に思う―
1月11日の朝、NHK「おはよう日本」を見ていたら、生活程度の意識についての調査結果を発表していた。この調査は、「RDD法」という、コンピューターで無作為に抽出した電話番号に電話をするやり方だ。65%の回答率で1068名が答えたという。
その結果によると、
・上→1% ・中の上→8% ・中の中→45% ・中の下→30% ・下→11%
合計すると95%なので残りの5%はどうなっているのか疑問だが、仕方がない。
この世論調査の結果を見たとき、中の合計が83%もあるので驚いたのだが、もう一つ分からないのは、中とか中の中とかいうのを何をもとにしていうのかということである。意識調査だから、人によって感じ方が違うので規定できないと言えばそれまでではあるが。
皮肉な符合というべきかどうか、「上」g1%というのは、アメリカで言われているのと一致するので思わずニヤリとしてしまった。5年前より1ポイント減ったそうだ。日本でもおそらくアメリカと同じく、1%程度の大富豪が富を独り占めにしているのであろう。
「下」が11%で5年前よりも3ポイント増えたのは、さもありなんと思う。実際はもっと多いのではと思うぐらいだ。ちなみに中の上は-4、中の中-1、中の下+3だそうだ。
国民の生活程度の調査が始まったのは1958年で、戦後13年目である。
・上→0.2% ・中の上→3.4% ・中の中→37% ・中の下→32% ・下→7%
というのが、第1回調査の結果であった。
その頃は、三種の家電神器と言われた白黒テレビ、洗濯機、冷蔵庫がもてはやされた。1956年には経済白書で「もはや戦後ではない」そ宣言された。神武景気と言われたが、自動車はまだまだであった。
それが1970年に入ると、中流意識が90%になり、その後バブルの崩壊まで続くのだ。そして崩壊後は日本経済長い低迷にに入り、今では失われた20年と言われる。
けれども高度成長期を通じて自動車が普及し、住宅も戸建てやマンションなどよくなった。テレビはカラーテレビになり、パソコンや携帯電話も当たり前になった。
輸入によって食料も豊富になり食品のバラエティにも富んでいる。衣服も中国やベトナムなどで縫製されて大変安く手に入る。
リーマンショック後、世界経済は変調し、さらにEUの金融危機で先行きが不安である。小泉・竹中改革で雇用が不安定になり、正社員が減り、臨時雇用が増加した。そこへ昨年は東日本大震災と大津波が襲った。
先行き不透明な中で何となく不安を抱きながらの生活であるが、それでも生活程度の意識は冒頭のような結果だという。
私はどこに入れるか思案してみたが、中の下かなと思う。先にも書いたように、そもそも中とは何かという基準がないからあくまでも自分の気分である。
オーストラリアやカナダ、はたまた中国の上海などの住宅を見ると、広壮でゆったりとしている。そこへ行くと日本は相変わらずラビットハッチと揶揄された域からそれほど抜け出てはいない。
さてさて、この調査結果をどうみる?
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そうならないことを願っていますが、週刊現代などはしきりにデフォルトを書きたてていますね。
投稿: らら | 2012年1月16日 (月) 19時56分
日本はまだ財政破綻してないから、今の状態は中流意識を持っている人達が多いと思います。でもそれは借金で暮らしができているからで、そのうち財政破綻すると間違いなく80%は下流と答えると思います。
投稿: とてちゃん | 2012年1月14日 (土) 15時39分
ブログ子の仰るように、上、中の上、~下に至る各カテゴリーの大よその基準がないと判断のしようがないと思われますが、これはあくまでも意識の問題だけなのでしょうか?あるいは電話の調査員が上の生活とは少なくとも純資産が1億以上あること。年収は1000万円を超えてているとか客観的な目安を示しているのでしょうか。そうでないとするならば、この種の調査は極めてバイアス(偏り)がかかりやすいと思われます。すなわちとりあえず、中の中ぐらいに答えておこうかと。他国に比べて格段に治安がよく、人々は概して穏やかで礼節を重んじるという、近年、多少の綻びは出てきたとはいえ、まだまだ世界に誇るべき日本社会の特性は中間層が際立って厚いことに依ると言われています。この調査からは格差社会が進展しているとはいえ、少なくとも意識調査の上からは中流意識が依然、健在と判断すべきなのでしょうか、、。
投稿: Toshi | 2012年1月14日 (土) 08時29分