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2011年12月14日 (水)

金儲けなら何でもありの中国に今更ながら驚く

 12月11日日曜の朝日新聞朝刊一面のトップ記事は、「どぶから油 食卓へ」であった。サブタイトルが、「ゴミ・残飯 煮詰め『精製』」となっていた。日本のように使用済みの食用油などから燃料の油を作るのかと思って読んだら全く違っていた。

  深夜にレストランやホテルを回り、調理室につながる排水溝の泥やゴミを集めて、雑多なゴミなどを釜で4時間ほど煮詰める。浮いてくる油をすくい取るのだそうだ。排水溝の泥には、捨てられた調理油や残飯の肉、魚肉から出る油が含まれているのでそれを取るのだ。

  この仕事は、農民がやる。そうやって集められた油を山東省済南のバイオディーゼル工場に運び不純物を取り除く。それを河南省鄭州の業者が食用油としてホテルに売るのだという。

  毎月500トンも生産し、300万円ほどの利益を上げていたそうだ。最初の泥を集める農民たちは競争が激しくて「優先権」に月6000円の値がついたとか。

 日本でも悪徳業者がいて、庶民を欺いて金儲けをするから、目くそが鼻くそを笑うようなものかも知れないが、ここまでのあくどいことはしないだろうと思う。車の燃料としてならまだ許せるが、「食用油」として再販売するのは恐ろしいことだ。

 この他に、禁止されている有機リン酸系ホレートという強力な殺虫剤を使う農家もあり、食の安全性が問題になっているそうだ。

 さらに病死をした豚の肉を使ったベーコンが製造され、中に「敵百虫」というウジがわくのを防ぐ薬が混入していたそうだ。業者は、「稼ぐためなら何も怖くないし、売った相手のことなど考えない」と公言しているそうだ。

 金持ちは、金で安全な食品を買うことができるが、多くの貧しい人や低所得層は危険であろうと買わざるを得ない。

 中国政府当局も放置できない問題として取り組み、13万件の検挙をしたそうだ。延べ3500万人の業者を検査したというが、「膨大な零細業者が散らばっており、管理監督が難しい」と嘆いている。なにしろ、養豚業者の数でも半端ではない。6700万戸もあるのだという。

 13億の民の中国は、スケールが大きすぎる。だから悪いことをやって荒稼ぎをしようとする連中がうようよいても不思議ではない。だいたいWTOに加盟していても、海賊版を平気で作り売りさばくのだ。登録商標でも日本のブランドを平気で登録させているのだ。自動車やバイクのような商品でも紛らわしい名前をつけて売る業者がいるのだ。

 今や金持ちが1億人以上いると言われる中国だ。残りの12億の中に指をくわえて見ているだけではすまず、知恵を働かせて稼ぐが勝ちという人が出るのも当然であろう。

 何より、共産党幹部や政府、地方政府の幹部の腐敗もひどく、庶民からひんしゅくを買っている面もあるのだ。「百年河清を待つ」と言ったのは、中国人の誰であったろう?

 

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コメント

おっしゃる通りだと思います。韓国の領海を侵犯して密漁をするのも怪しからんことです。

中国漁船による韓国領海内での不法操業のニュースが
最近大きく取り上げられました。今回は取締りに当たった海上警察の隊員が相手漁船の船長に刺殺されるという不測の事態に韓国では怒りの声が沸騰しているとのこと。金儲けなら違法操業もまったく意に介さないというこの横暴さは、ブログ子のとりあげた今日の問題にも共通するものがあります。中国政府自体が末端のこうした動きを取り締まることができないというのが実態らしい。だいたい中国政府自体が強力な軍事力を背景に周辺の国の領海を侵犯し、恬として恥じないどころか、もともと自国の領海だといいだすしまつです。平和的な話し合いによる解決の道を見出す努力は勿論必要ですが、歴史的にみて、国家も国民もこうした性癖があることを日本としてはしっかり認識しておく必要があると思います。

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