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2011年11月 7日 (月)

「名古屋は酒飲み文化不毛なのか」(朝日夕刊)を読んで

 11月5日の朝日新聞夕刊に、「名古屋は酒飲み文化不毛なのか」という記事があった。フリーライター大竹敏之さんが書いたものだ。

 名古屋は総務省統計局の調べで、「飲み屋店舗数ランキング」では、人口10万人当たりの店舗数は212軒で47都道府県中、33位だという。この統計は平成18年度だから今はどうなっているのかは不明だ。1位は沖縄の560軒だという。東京も4位(330軒)で多い。

 でも、大竹さんは、「名古屋は実数4000軒といわれ、決して少なくないという。ただ、昼間から営業している店は少ない印象がある」という。

 ある評論家の「昼間から堂々と酒を飲める店の有無で街の文化度がわかる」という言を引用して、「その論からすると、名古屋は残念ながら酒飲み文化が未成熟ということになる」と述べている。昼間から酒を飲めるのがなぜ酒飲み文化度が高いのか?これだけではわからない。

 そもそも、いったい酒飲み文化とは何を指すのか、どう定義するのか、それについては、この小論にはどこにも書いてないのだ。

 「酒飲み文化」とタイトルに書くからには、その定義があってしかるべきである。それがないのは大変に残念である。

 そこでインターネットで「酒飲み文化」と検索をかけると、いろいろ出てきたが定義は見当たらなかった。

 それでトップに出てきた、中西麻衣子さんの「201号室}から、一部をコピペさせてもらう。

 「やはり酔っ払いは最高楽しいのだ。人間交差点!て感じなのだ。人丸出しなのだ。

 だからそんな人間が集まる「飲み屋」というのは最高なのである。家で飲んだ方がそりゃ安いし、すぐ寝られるし、いいだろう。だがしかし!一歩外へ出かけてみようじゃないか!

 仲間と居酒屋で飲んだり、一人バーで知らない方と語ったり、立ち飲み屋で人生の深さを老人から聞いたり、断然そっちの方が、自分の人生に深みが出ないだろうか?そりゃリスクもある。お金遣ってしまうし、べろべろで人に迷惑かけることもあるだろう。だけど、人生経験の振幅は、そういうことを知らない人に比べたら倍以上だと思うのだ。

 飲み屋には、そこにいる人の数だけ人生がある。ドラマがある。知恵がある。こんなアミューズメントパークありますか?絶対、絶対!あたしは外飲みを推奨します!

 家飲み楽チンかもしれないけど、外の世界と関わることで、絶対本当に得るものは、家で飲む酒以上の大きさがある。同じ酒でもその美味さが倍になったり、仲間ができたり、知識が増えたりと、必ずプラスになることがある。飲み歩いてきたあたしが保証する!(笑)」

 中西さんが言っているのは、居酒屋やバーなどで酒を飲むことで、いろいろな人との交流ができる―人間交差点といううまい表現を使っている――ということが酒飲み文化ということだ。

 中国ニュース通信社のRecord Chinaの記事は、酒の飲みぶりやマナーの民族性を取り上げている。

 酒は文化だ!」、世界の酒飲み事情、お国柄の違いが歴然―中国メディアモバイル版URL : http://rchina.jp/article/35795.html

 「2009年9月30日、『お酒を飲むときのマナーやしきたりは国によってそれぞれ』と、世界各国の飲酒事情を中国新聞社が伝えた。

 ギリシャ人は国産の蒸留酒ウーゾが大好き。アルコール度数42度の蒸留酒だが、氷を加えると白濁してまろやかな味になるという。アニスやカンゾウなどの独特なハーブの香りが特徴で、ギリシャ人はこれを飲みほろ酔い気分になることで社交的な雰囲気を作る。

 韓国ではより良い対人関係を築くためにお酒を飲む。宴会で有名な「爆弾酒」は色々な種類のお酒を混ぜて作る、酔いを誘うための「危険な」酒。宴会が盛り上がったら歌を歌ってさらにヒートアップ。
 
 中国では豪快に飲むのが美徳とされ、大きな杯でグイグイ飲みながら大きな肉に食らいつくのが豪傑の飲み方。

ロシアでは焼けつくように強いウオッカを一気に喉に流し込むのが男らしい飲み方。一度ボトルのフタを開けたら中身の酒を飲み干すことが大事なルールだ。
 フランス人はじっくりと味わいながら酒を飲む。料理にワインは欠かせず、その味によってワインの種類を選ぶ。

 日本人は仕事の延長上に飲酒があり、アフターファイブは会社の仲間や上司と酒場に直行。大事なことは会議室ではなく酒場で決まる。そして酒場は日本の男性にとって仕事のストレス発散の場でもある。
 ドイツ人はビールが生活の一部に。ビール腹やビアソーセージ、ビールジョッキ、ビアハウス、ビアガーデンなどビールがらみの単語がいっぱいだ。」
 韓国の酒文化というblogには、韓国人は速く酔うのか好きだと書いてった。中国人は酒を勧められたら飲み干すのが礼儀だと聞いたことがある。
 大竹さんによると、名古屋では「隣り合わせたお客に話しかけると気さくに応じてくれ、それでいてむやみに入り込んでこないケースが多かった。つかず離れずの名古屋独特の距離感がある」という。
 さて、酒の文化といえば、料理が大事である。それについて、大竹さんは、名古屋の居酒屋の最大の特徴は、「手羽先、味噌カツ、どて」のいわゆる名古屋めしだという。
 もうひとつ酒飲み文化で大事なことは、店の飾り付けや造作や雰囲気と従業員のサービスも挙げられよう。
 
 私が学生のころには、今池や広小路などには屋台がずらっと並んでいた。中には貧乏学生でも入れる屋台があた。
 また、赤ちょうちんに縄暖簾の小さな店でカウンターに椅子が並んでいるというのも味わいがある。いつの頃からかチェーン店が多くなり店の造りも変わった。
 
 考えてみると、「酒の文化」と「酒飲み文化」とは当然違うはずだ。酒飲み文化というのはあくまでも「外飲み」である。
 

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コメント

昔の屋台とか居酒屋の盛んだった時代が懐かしいですね。食でも、いわゆる大衆食堂が無くなりました。私が知っている店は、旧高等裁判所の付近の1軒と女性会館近くの一軒だけです。

私もお酒が好きな方なので、今日のブログは大変興味深く拝読しました。特に中西 麻衣子さんからの引用はことごとく共感できました。時々、名物女将がいて
半世紀も続いた居酒屋が幕を閉じたという記事が新聞に出たりします。そのようなお店は人柄のよい女将の手料理が美味しくて、安くて多くの中年の男どもが夜な夜な通い続け人生を語りあったというのが定番です。でもこうした古典的な居酒屋は衰退の一途をたどっています。代わって低料金の居酒屋チェーンが増えているのはご承知の通りです。でもこれはいささか
風情にかけるものです。やはりお酒は飲む雰囲気がとても大事だからです。私の場合、仲間と共通の趣味で話が盛り上がった時に最高にお酒がおいしくなります。

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