珍しい笛とパイプオルガンの協奏
11月13日の午後、名古屋オルガンの秋2011・和の響きのシリーズの一つとして、「和の笛とパイプオルガン」のコンサートがカトリック五反城教会で開かれた。
笛とパイプオルガンのコラボはどんなものか、興味津々であった。地下鉄の駅の地図でどの出口から出ればよいか見ていたら、ご婦人が2人、やはり同じように見ていて、五反城教会へ行くのだと言った。それで一緒に歩いた。五反城教会は何度来ても道が覚えられない。だいたいの見当で歩き、並木に沿って行ったら教会の塔が見えてきた。
演奏会はいつものとおり、15時半からであった。初めに吉田文さんの話があった。この日のオルガニストは加藤千加子さんで、笛は竹内明彦さんであった。お2人とも初めての人であった。
まず、能管で「出端」というのが柱の脇で演奏された。能楽囃子だとプログラムに書いてあった。
次に、オルガンでJ.Sバッハの前奏曲変ホ長調が演奏された。この曲はプレリュ-ドなので初めに演奏するのだという説明があった。
その後からは笛とのコラボで、同じくバッハのクラヴィアーノ練習曲第3巻から、
①キリエ 永遠の父なる神
②クリステ 世の慰め
③キリエ 聖霊なる
①は、笛の息が長い音がオルガンの曲に乗っている感じで、②は最後がオルガンと笛の音が溶け込んでいた。③は、笛の音がオルガンの中に入り込んでいた。
次は、笛の独奏で、滝廉太郎の荒城の月であった。この曲はものもともう少し荒っぽいものだという解説があった。テンポの早い演奏で、下のキーから高いキーまで4回演奏された。笛で荒城の月を聴くのは初めてであった。
次が、大中寅二のコラールであったが、あまり印象に残らなかった。
その次は、トーマス・マイヤー・フィービッヒ作曲の「パイプオルガンと和の笛の為のMonologe-Daialoge」で、初演だそうだ。
この演奏に先立って、笛の説明があった。雅楽で演奏される一番古い竜管、それを室町時代に能に取り入れてできた能管、それから篠笛について実際に演奏をして話してくれた。
この曲の演奏は、4本の笛を取り替えながらのもので、オルガンの音と合わさったり、離れたり、一緒になったり・・・であった。これを作曲するには、笛の音を知らなくてはならないだろうから、初めに笛の曲を作ってそれにオルガンを合わせたのか?などと思いながら聴いた。
最後は、J.Sバッハのフーガ変ホ長調に笛の音を合わせたものであった。バッハも予想だにしなかったことだ。
日本の笛は、フルートとは違った音色だが、オルガンとの協奏にも合うと感じた。和魂洋才ではないが、和の響きがスパイスとしてよく効いていた。大変面白い試みであったと思う。
次の、11月27日(日)に、同じ五反城教会で開かれる和太鼓とパイプオルガンも楽しみである。和太鼓は井上英樹さん、オルガンは吉田文さんである。
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