生まれて初めてドジョウを食べた
ドジョウを食べさせる居酒屋があると誘われて出かけた。私は、生まれてこの方一度もドジョウを食べたことがない。あの戦時中、戦後の食糧難のときにでも食べなかった。あの頃小川に遊びに行くと、ドジョウがいくらでも泳いでいた。近づくと川底の泥の中に潜り込んでしまう。
ドジョウを獲るのはあくまでも遊びであって、それを獲っても食べることはなかった。父親からは、ドジョウは柳川鍋にして食べるのだということは聞いたことがある。豆腐を入れた鍋にドジョウを入れると熱いのでドジョウが豆腐に潜り込むのだ。何とも残酷な食べ方だと思った。
南紀新宮の辺りは太平洋に面していて、海の魚が豊富なので泥臭い川魚を食べる習慣はなかった。だからウナギを食べるとは聞いたが、ドジョウを食べると聞いたことはなかった。
そういう訳でドジョウは食べたいとは思わなかった。居酒屋に入ると、入り口のカウンターに水槽があって、細い小さなドジョウが体をくねらせて泳いでいた。体長5cmぐらいで、太さが5mmぐらいの大きさだ。
居酒屋の大将に聞くと、養殖のドジョウだという。養殖のドジョウは潜ることを知らないのだそうだ。だから豆腐に潜らせる柳川鍋にはできないのだという。それでから揚げにして出していると言った。
子どもの頃つかまえたドジョウは、体長が10cm以上あり、小指よりも太くて口に立派な髭を持っていた。そういう自然で育ったドジョウなら豆腐に潜るのだ。
先刻まで水槽で泳いでいた養殖ドジョウは、から揚げにされて鉢に盛られて出された。ドジョウは小さいが写真のように数は随分あった。身体をくねらせた姿だ。きっと熱かったのであろう。可愛そうに思った。
水槽で泳いでいるときはドジョウは食べないと言っていたが、一匹ぐらい食べてみたらどうかと言われて試しに口に入れたら、からっとしておいしかった。それで抵抗がなくなり、食べることができた。ドジョウを食べる初体験であった。
この居酒屋の大将は九州福岡の出身だそうで、その名も無法松という店を25年も経営していると話した。74歳になると言ったが、兄ちゃん刈りの毛を真っ黒に染めてあるので随分若く見えた。
店のカウンターに大丼に盛った関東煮とか肉じゃがとかいろいろなものが置いてあり、壁の品書きも種類がたくさんあった。ドジョウから揚げは800円としてあった。
丸々と太ったサンマの塩焼きもちょおいしかった。ちょっと高くて1匹600円であった。
この居酒屋の煮物の味付けは、みな甘みが強い。酒の肴としては、甘みを抑えた方がよいと思うのだが・・・・。
ビールは大瓶で、1本740円であった。
この居酒屋は地下鉄今池①出口から真直ぐ北に行くとマックスバリューがあり、そこから約100mぐらいの通り沿いにある。
« 中年以降の太る原因―基礎代謝の変化にあり?― | トップページ | 幸福度ランキング2011―愛知は21位― »
「食・食事・食物」カテゴリの記事
- おにぎりが人気(2023.11.29)
- コーヒーのこと(2023.11.27)
- バナナの効用(2023.11.23)
- リンゴの効用(2023.11.04)
- とても美味しい国産キウイ(2023.10.27)
ドジョウをその場で飲み込むところもあったのですね。確かに殺して飲み込めば暴れませんね。ドジョウが住める自然が大切だと思います。
投稿: らら | 2011年11月12日 (土) 07時54分
日進の農家の方から聴いたことですが、戦争中、田畑に出かけると、溝川にどじょうがいて捕まえて飲み込むのだが、首の所をきゅっと噛んでがら飲み込むと暴れないから良いと父が教えてくれたといわれました。私は泥鰌を食べたことがありません。その話しを聞いた時親子の愛情を感じました。
投稿: maron | 2011年11月11日 (金) 19時42分
今池も昔は、風情がありましたが、今はうらぶれた感じですね。その中での居酒屋は珍しいです。
投稿: らら | 2011年11月11日 (金) 12時51分
2011・11・11・11・11分にコメントを書きます。このような数字が並ぶのもマジックの1つですね。どじょうは柳川鍋で食べるのが定番ですが、空揚げにして食べるのがこのようにパリパリして美味しいものとは思いませんでした。レモン汁を揚げたてに食べる美味しさは格別です。また行きたくなるレトロ調の今池の屋台があったころの雰囲気のお店です。
投稿: fumiko | 2011年11月11日 (金) 11時13分